令和7年度採用案内
科学警察研究所では、2025年4月1日に下記のとおり総合職研究員を採用する予定です。
採用研究室/人員/試験区分 | 業務内容 |
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機械研究室/2名/デジタル、工学、数理科学・物理・地球科学 |
機械研究室では、構造物や部品の破損等による事故、銃器等の威⼒評価、発射銃器の異同識別などを対象とし、⼯学的視点に基づく鑑定・検査を⾏っています。これらの業務では、持ち込まれた鑑定資料に対するマクロ・ミクロの観察、材料試験、数値解析といった各種⼿法を⽤いることとなります。また、事故現場において鑑定資料を適切に採取するための⼿法が必要となることもありました。 これまで、⼤規模構造物の破壊現象を対象とした数値解析法や、⼩型⾶翔体の表⾯状態計測、有資格者を必要としない非破壊検査法といった研究を⾏ってきましたが、積層造形法のように新たな技術を社会で活⽤する場面も増えています。そこで、今後は、このような技術に関する研究も進めることとしており、そのアプローチとして、機械学習等の技術も必要としています。 |
知能工学研究室/1名/デジタル、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学 |
知能工学研究室では、科学捜査及び犯罪防止に関する基盤技術の高度化を意図して、従来の画像解析技術に加え、急速に進展する人工知能(AI)の情報処理技術を取り入れた情報工学及び画像工学に関する研究・開発及びこれらを応用した鑑定・検査を行っています。 特に、近年取り組んでいる研究課題として、人物の歩容(歩き方と容姿)による異同識別に関する研究、ディープフェイクなどの画像改ざん検出手法に関する研究、画像による三次元空間解析に関する研究などが挙げられます。 情報工学及び画像工学は近年の発展と有用性の向上からより様々な分野へ活用され始めており、警察業務においても活用の多様化が期待されています。そこで、従来からの研究方針を継続するとともに、多様化する需要に応えて所内の他研究室や外部の機関とも共同・協力して新たな研究課題を積極的に推進しています。 |
情報科学第三研究室/1名/工学、デジタル、人間科学、数理科学・物理・地球科学 |
情報科学第三研究室では、犯罪に関係のある音や音声に関する研究およびその成果を応用した鑑定・検査を行っています。具体的には、防犯カメラやスマートフォン、ドライブレコーダーなど、犯罪・事故現場で記録された資料を対象とした、話者の異同識別や、出身地などの属性推定、聴取困難な音声資料の明瞭化処理などを行っています。 音声には、時系列信号の一種という工学的な側面のほかに、ことばの一形態という言語学的側面、脳や身体の器官を使って生成されるという医学的側面、さらに聴覚が関与するという心理学的側面もあります。幅広い分野に渡って興味を持っておくことが必要です。当研究室でも、音声現象を多角的にとらえて、様々な実験を行い、学際的に研究を進めています。 近年の情報処理技術の発展や人の移動の国際化など、社会の変化に伴い、必要とされる研究も変わってきます。今後は先端技術を利用した話者認識手法の開発や、従来手法の多言語対応に向けた研究も行っていく予定です。 |
犯罪予防研究室/1名/人間科学 |
犯罪予防研究室では、犯罪を未然に防止するための効果的な施策の立案に資するため、犯罪者、被害者・被害物、犯行の場や地域社会などの背景要因を総合した実証研究を行っています。 研究成果は、警察本部の生活安全・地域部門、総警務部門(エビデンスに基づく政策形成=EBPM)、自治体の市民安全・危機管理部門などで幅広く活用されています。 また、各都道府県の防犯部門の警察官に対する研修、府省・都道府県警察本部・自治体が実施する委員会・研究会への参画や、フィールド社会実験への関与など、実社会とのかかわりが深いことも特徴です。研究者としてのスキルを、現場での問題解決に役立てることができるのが仕事の醍醐味です。 社会問題への幅広い関心と社会科学の実証研究への意欲を持ち続けて自己研鑽し、スキルアップできる人材を求めます。多くの方の応募をお待ちしています。 |
採用試験に関するお問い合わせ先
国家公務員採用総合職試験に関することは、人事院(03-3581-5314)、又は人事院関東事務局(048-740-2006)に問い合わせて下さい。