土砂の形成史は場所ごとに異なり、土色に赤や暗色を与える有機物や鉄などが鉱物粒子の表面を覆っている。また、含有される鉱物もその母材や形成史によって多様性に富んでいる。このような土砂が有する様々な特徴に基づく、より迅速で精度の高い土砂の異同識別法の開発や地域推定に関する研究を行っている。
土砂や植物は身の回りに普遍的に存在しており、しばしば犯罪の証拠資料として採取される。化学第四研究室では各種光学顕微鏡やX線分析装置付電子顕微鏡、X線回折装置などを用いた機器分析、また、DNA分析法などを利用して、これらの資料の異同識別や種別同定、あるいはこれらの由来する環境推定に係る研究開発を行っている。その成果は鑑定に利用され、また、法科研における都道府県警察の科学捜査研究所職員への教育を通じて普及を図っている。
土砂の異同識別法に関する研究
植物資料の異同識別及び種別同定に関する研究
植物片は被疑者や被害者と犯罪現場を関係付けるために重要な証拠資料となる可能性を有している。植物の形態検査やDNA配列の解析による異同識別や種別同定の研究が進行中である。また、その成果は逐次、鑑定に利用されている。