薬物乱用は、世界的に深刻な社会問題であり、我が国では、覚醒剤の乱用に加えて、大麻、麻薬、向精神薬等の乱用が増加傾向にある。また、向精神薬や医薬品を用いた犯罪も悪質化している。これらの事案に対処するため、押収物や生体試料からの各種薬物の分析法の研究開発及びそれを応用した鑑定・検査を行っている。
薬物の新しい分析法の研究開発
乱用が懸念される各種乱用薬物について、押収物の定性法や生体試料からの高感度分析法を開発し、実際の鑑定に適用している。また、異なる場所で押収された覚醒剤等について、その含有成分の分析から流通ルートを解明する手がかりを得ようとする研究(薬物プロファイリング)も行っている。
薬物の体内動態に関する研究
薬物の使用を証明するためには、その体内動態を把握しておく必要がある。そのため、乱用薬物等の吸収、分布、代謝、排泄に関する研究を行っている。