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危険ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)

未規制を標榜し、「合法ハーブ」「お香」「アロマ」等と称して販売されている。覚醒剤、大麻、麻薬等のように幻覚作用等を得ることを期待して乱用され、法規制から逃れるため、規制薬物の化学構造を一部変えたものが次々と出回っている。国際的に、新規の乱用薬物については、新精神活性物質(New Psychoactive Substances, NPS)という用語が用いられており、“乱用されている純物質または製品で、麻薬に関する単一条約(1961)または向精神薬に関する条約(1971)で規制されていないが、公衆衛生上の脅威をもたらす可能性がある物質”と定義されている。

合成カンナビノイド

いわゆる脱法ハーブ(危険ドラッグの一種)に含有される成分。元々は、医薬品の開発を目的として研究用に合成された物質で、大麻特有の成分であるカンナビノイドの体内結合部位(カンナビノイド受容体)の作動薬である。研究用からさらに構造を変えたものが多く出回っており、大麻の幻覚成分Δ9-テトラヒドロカンナビノールよりも作用が強い物も多数存在する。

安定同位体比質量分析計

物質を構成する元素の安定同位体の存在比(安定同位体比)は、その物質の起源等を反映してわずかに異なる。安定同位体比質量分析計は、窒素、炭素、水素、酸素などの軽元素の安定同位体比のわずかな違いを正確に測定することに特化した質量分析計。

化学第一研究室

薬物乱用は、世界的に深刻な社会問題であり、我が国では、覚醒剤に加えて大麻、麻薬、向精神薬等の検挙人員が依然として高水準で推移している。さらに、2011年頃からは、危険ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)が新規に出回る数が激増し、その乱用に伴う事件・事故が多発している。これらの事案に対処するため、押収物や生体試料からの各種薬物の分析法の研究開発及びそれを応用した鑑定・検査を行っている。

薬物の新しい分析法の研究開発

乱用が懸念される各種乱用薬物について、押収物の定性法や生体試料からの高感度分析法を開発し、実際の鑑定に適用している。また、異なる場所で押収された覚醒剤等について、その含有成分の分析から流通ルートを解明する手がかりを得ようとする研究(薬物プロファイリング)も行っている。

可搬型質量分析計(研究開発)

可搬型質量分析計(研究開発)
薬物捜査の第一線において一般の捜査員が利用可能な、簡単で迅速かつ信頼性の高い薬物検知装置技術を産学と連携して研究開発している(左:可搬型質量分析計 右:検査結果表示例)


ガスクロマトグラフ-質量分析計による危険ドラッグの分析例(写真:危険ドラッグ)

ガスクロマトグラフ-質量分析計による危険ドラッグの分析例(写真:危険ドラッグ)



元素分析計-安定同位体比質量分析計(写真)及び覚醒剤メタンフェタミンの窒素及び炭素安定同位体組成グラフ(図)

元素分析計-安定同位体比質量分析計(写真)及び覚醒剤メタンフェタミンの窒素及び炭素安定同位体組成グラフ(図)
安定同位体組成とガスクロマトグラフィーによる微量成分分析結果を組み合わせ、より詳細な薬物プロファイリングを行っている。

ガスクロマトグラフ-飛行時間型質量分析計による大麻含有成分分析チャートの比較

ガスクロマトグラフ-飛行時間型質量分析計による大麻含有成分分析チャートの比較


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薬物の体内動態に関する研究

薬物の使用を証明するためには、その体内動態を把握しておく必要がある。そのため、危険ドラッグ等の乱用薬物等の吸収、分布、代謝、排泄に関する研究を行っている。

超高速液体クロマトグラフ-タンデム四重極型質量分析計

超高速液体クロマトグラフ-タンデム四重極型質量分析計
違法薬物、向精神薬、医薬品等の各種薬物の生体試料(尿・血液・毛髪等)からの高感度定性・定量分析に活用されている

培養肝細胞を用いた新規乱用薬物代謝機構の解明

培養肝細胞を用いた新規乱用薬物代謝機構の解明
(写真:三次元培養プレート上の肝細胞スフェロイド 図:合成カンナビノイドXLR-11の代謝経路)



薬物の臓器内分布に関する研究

薬物の臓器内分布に関する研究(左から:腎臓の断面図、ラットの腎切片、マトリックス支援レーザー脱離・イオン化-イメージング質量分析計で分析した腎臓内の覚醒剤メタンフェタミン分布、液体クロマトグラフ-質量分析計で分析した腎臓断片中の覚醒剤メタンフェタミン濃度)


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