EDUCATION 警察学校

FOCUS 警察学校の授業例
採用試験に合格すると、まずは警察学校に入校し、警察官としての第一歩を踏み出すことになります。
期間は、大卒の場合は6ヶ月間、それ以外の場合は10ヶ月間です。警察学校は全寮制で、同期生とともに、警察官に必要な法学や実務、
術科など、警察官になるために大切な知識・技能を学びます。授業内容を、茨城県警察本部の警察学校を例にご紹介します。
※都道府県警察ごとに設備や規則は若干、異なります。各都道府県警察HP等では、さらに詳細に紹介していますのでご確認ください。
FOCUS 01
ホームルーム
授業は「教場」と呼ばれるクラスごとに行われます。警察学校の1日は、
担任の教官を中心としたホームルームからスタートします。


連絡事項の伝達や意見発表を行う、
大切な場
授業も寮での生活も共にする同期生とは、深い絆で結ばれます。警察官にとって必要不可欠な規律意識を身につけるために厳しい指導もありますが、仲間や親身に接してくれる教官がいるから乗り越えられたと、多くの先輩たちは語ります。今日のホームルームは初めてのボーナスの使い道について、皆の前で発表。嬉しい話題だけに、和やかな時間が流れます。
FOCUS 02
座学
警察官が日々の職務を適正に執行するためには、様々な知識が必要となります。
現場に立つために必要不可欠な授業です。


各種法律など、職務に必要な
基礎知識を身につける
憲法や警察行政法、刑法、刑事訴訟法といった法律や、実際に現場で起こった事例について学びます。授業を担当する教官や教官を補佐する助教は現場経験を積んできたベテランの先輩警察官でもあるので、現場で感じたことやどうやって困難な事案を乗り越えたかなどの貴重な体験談を聞くこともできます。教科書の知識を覚えるだけではない、実務に役立つ力が身につきます。
FOCUS 03
逮捕術・武道(柔道 or 剣道)
犯人を確保するため、市民と自らの身を守るため。
社会の安全を守る警察官にとって、必要不可欠な授業です。

警察官の職務を全うするため、
必要な鍛錬
犯人を迅速かつ確実に制圧し、自分の身を守るために必要なのが、逮捕術と武道です。逮捕術では面や胴、小手といった防具を身につけて打突や防護の訓練を行います。武道は、柔道又は剣道から一種目を選択します。逮捕術はもちろん皆が未経験ですし、武道も基礎から学ぶので、武道の経験がなくても心配ありません。今回紹介するクラスでも柔道や剣道などの武道経験者はゼロでした。
FOCUS 04
拳銃
拳銃の使用が認められている意味と責任を自覚し、
適正かつ的確に使用するために、重要な科目です。

拳銃を扱う責任と適正な
使用について学ぶ
警察官は、日本で拳銃の使用が認められている数少ない職業の一つです。そのため拳銃を携帯する責任は重大です。事故が起きないように、そして必要な時に適正・的確な使用ができるよう、所持や使用の根拠となる法令や安全管理を学び、実射訓練を行います。この日は、拳銃の安全な取扱い方や射撃要領を反復して学び、その後、実弾での射撃訓練を行いました。
FOCUS 05
警備実施
治安警備・災害警備・雑踏警備。
様々な場面で人々の命と安全を守る訓練を行います。


集団での警備に必要な隊列の組み方や移動、
盾の使い方などを繰り返し訓練
警備実施では、厳しい現場で市民を守るための技術や気力・体力を身につけるため、訓練を行います。盾の構え方や扱いを習ったり、装備を持ち、隊列を組んで校内を走ったりします。隊列から遅れそうになる同期生がいると声をかけあい、励まし合いながら、訓練は進みます。訓練を通して、警察官に必要とされるチームワークも自然と身についていきます。
FOCUS 06
捜査・鑑識
実況見分や被害者からの聞き取り、指紋や血痕の採取、捜査書類の作成など、
犯罪捜査に直結する実務を学びます。


犯罪捜査の基本を学ぶ
事件や事故が発生すると、現場保存や、写真撮影、指紋・足痕跡の採取に加え、実況見分調書等の書類を作成するなど、多くの作業が必要になります。そのすべてが犯罪の重要な証拠になりますし、捜査書類は裁判資料にもなる重要なものです。写真は捜査協力者からの指紋採取を学ぶ実技の様子。皆、真剣に取り組んでいます。
FOCUS 07
その他
幅広い警察の業務に対応するために、
警察学校での学びも多岐にわたっています。
職務質問、巡回連絡、
交通取締りなどの実務の他に、体育の授業も
上記に紹介した授業の他にも、職務質問や巡回連絡の仕方や交通取締りの方法、交通事故処理、救急法、バイクの運転方法など、警察業務に必要な様々な知識や技術も学びます。体操や球技などを行う体育の授業もあります。覚えること、身につけることが多くて大変ですが、すべては現場ですぐに役立つこと。皆、真剣に、そして時にはその学びを楽しみながら、警察官としての知識やスキルを身につけていきます。
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茨城県警察学校 教官 主担任
警察学校には
「社会人としての青春」がある私が指導で一番、心がけているのは「懇切丁寧」。じっくりと説明を尽くして一つ一つの知識や技能を確実に身につけてもらえるように指導しています。厳しい訓練もありますが、笑顔もたくさんあるのが警察学校です。生活を共にし、励まし合うことで、同期生とは強い絆で結ばれます。警察学校には社会人としての青春があると、私は思っています。
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茨城県警察学校 教官 副担任
女性だからできることがある、
と伝えていきたい質問を投げかけて、どこまで理解できているかを確認しながら授業を進めるように心がけています。また、日頃の生活を通して警察官としての心構えを身につけさせることも意識しています。特に女性の学生には、現場に出たら男女問わず市民からは頼りにされる存在だということと、女性だからこそできることもあるということを、色々な機会を通じて伝えています。
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茨城県警察学校 初任科生
知識と技術、そして
チームワークが身につく場指紋を採取する、証拠品を押収するなど。耳にしたことのある言葉が、実際の行為としてはこういう工程を踏んでいくと授業を通して知ることができ、新鮮な気持ちで授業に臨んでいます。できることが増えていくので、成長を実感できるのも嬉しい。仲間と勉強を教え合ったり、カバーし合ったりという経験を通して、チームワークも磨かれていくと感じています。
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茨城県警察学校 初任科生
いつも見守ってくれる教官と、
励まし合う仲間がいる教官には、授業や行事の時だけではなく、授業後も寮生活でも私たちのことを見守り、指導していただきます。心強いし、警察官としての目標です。また、励まし、助けてくれる仲間の存在も大きいです。就寝時間ギリギリまでおしゃべりをしたり、休日も一緒に自主練や勉強をしたり、ご飯を食べたり。このつながりは卒業後もずっと続くと思います。