北朝鮮による拉致容疑事案について
北朝鮮による拉致容疑事案は、昭和49年(1974年)6月中旬に福井県の海岸付近で発生した姉弟拉致容疑事案、昭和52年(1977年)11月に新潟県の海岸付近で発生した少女拉致容疑事案、昭和53年(1978年)7月から8月にかけて福井、新潟、鹿児島各県の海岸付近で発生した一連のアベック拉致容疑事案及び母娘拉致容疑事案、昭和55~58年(1980~1983年)に発生した一連の欧州における日本人拉致容疑事案等、これまでに13件発生しており、これらの事案において北朝鮮に拉致された被害者は、19人に上っています。また、昭和53年(1978年)8月には、富山県の海岸付近において、拉致が未遂であったとみられる事件が発生しています。
これらの拉致の目的については、必ずしも明らかではありませんが、李恩恵拉致容疑事案、宇出津 (うしつ) 事件、辛光洙 (シン・グァンス) 事件等これまでの事例から、北朝鮮工作員の日本人化教育や我が国に潜入した北朝鮮工作員による日本人への成り替わり等が、その主要な目的とみられます。
警察では、拉致に関与した北朝鮮工作員や「よど号」犯人ら10人について、逮捕状の発付を得て、ICPOを通じて、国際手配を行うなど所要の措置を講じています。また、平成16年(2004年)11月に開催された第3回日朝実務者協議においては、北朝鮮側から新たな物証等が提出されたものの、拉致被害者の「遺骨」とされた骨の一部からは、同人らのものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得ました。
警察は、これらの北朝鮮による拉致容疑事案については、国内外の関係機関と連携しつつ、新たな情報の収集等所要の捜査を継続しています。
これらの事案につき、情報をお持ちの方は、警察庁または関係都道府県警察本部までEメール又は電話でお知らせください。