第3章 刑事手続への関与拡充への取組
1 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)
(1) 迅速・確実な被害の届出の受理
【施策番号125】
(2) 告訴への適切な対応
(3) 医療機関等における性犯罪被害者からの証拠資料の採取等の促進
【施策番号127】
ア 警察においては、性犯罪被害者が警察への被害の届出を行うことなく医療機関を受診した場合、後に警察へ被害の届出を行うときには身体等に付着した証拠資料が滅失している可能性があることから、「医療機関等における性犯罪証拠採取キットの整備推進について」(令和6年2月26日付け警察庁刑事局捜査第一課長通達)を都道府県警察に発出し、医師等が診療時に性犯罪被害者から証拠資料を採取するための資機材(性犯罪証拠採取キット)の整備を推進するために必要な予算の確保、整備先となる医療機関等の拡大等を推進している。令和7年4月現在、46都道府県において性犯罪証拠採取キットを整備している。
【施策番号128】
イ 警察においては、産婦人科医会等とのネットワークを活用するなどして、性犯罪被害者からの証拠資料の採取方法を医師等に教示している。
(4) 冒頭陳述等の内容を記載した書面交付の周知徹底及び適正な運用
【施策番号129】
(5) 公判記録の閲覧・謄写制度の周知及び閲覧請求への適切な対応
【施策番号130】
| 年次 | 記録の閲覧・謄写 |
|---|---|
| 令和2年 | 1,154件 |
| 令和3年 | 1,364件 |
| 令和4年 | 1,203件 |
| 令和5年 | 1,224件 |
| 令和6年 | 1,252件 |
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(注) 1 最高裁判所事務総局の資料(概数)による。 2 数値は令和7年3月時点のものである。 3 表中の数値は、高等裁判所、地方裁判所及び簡易裁判所において被害者等に公判記録の閲覧・謄写をさせた事例数及び同種余 4 事例数は、事件の終局日を基準に計上している。 |
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| 提供:法務省 | |
(6) 犯罪被害者等と検察官の意思疎通の充実
【施策番号131】
ア 法務省・検察庁においては、会議や研修等の様々な機会を通じ、犯罪被害者等の意見が適切に刑事裁判に反映されるよう、検察官が犯罪被害者等と適切な形で十分な意思疎通を図るべきことについて、検察官等への周知に努めている。
【施策番号132】
イ 検察庁においては、公判前整理手続等の経過及び結果に関し、犯罪被害者等の希望に応じ、検察官が適宜の時期に必要な説明を行うとともに、被害者参加人等が公判前整理手続等の傍聴を特に希望する場合において、検察官が相当と認めるときは、当該希望を裁判所に伝えるなどの必要な配慮を行うよう努めている。 また、犯罪被害者等が公判の傍聴を希望する場合には、その機会ができる限り得られるよう、公判期日の設定に当たり、必要に応じて当該希望を裁判所に伝えるよう努めている。
さらに、法務省・検察庁においては、検察官等に対する研修において犯罪被害者等の保護・支援に関する講義を行うなどして、犯罪被害者等との意思疎通の重要性に関する検察官等への周知に努めている。
(7) 国民に分かりやすい訴訟活動
【施策番号133】
(8) 保釈に関する犯罪被害者等に対する安全への配慮の充実
【施策番号134】
(9) 上訴に関する犯罪被害者等からの意見聴取等
【施策番号135】
(10) 少年保護事件に関する意見聴取等に関する各種制度の周知
【施策番号136】
| 年次 | 意見聴取 | 記録の閲覧・謄写 | 審判結果等の通知 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 申出のあった人数 | 認められた人数 | 申出のあった人数 | 認められた人数 | 申出のあった人数 | 認められた人数 | |
| 令和2年 | 254 | 248 | 927 | 887 | 841 | 840 |
| 令和3年 | 272 | 266 | 821 | 800 | 780 | 779 |
| 令和4年 | 248 | 236 | 772 | 747 | 748 | 741 |
| 令和5年 | 289 | 279 | 950 | 926 | 938 | 927 |
| 令和6年 | 373 | 354 | 989 | 962 | 1,195 | 1,184 |
| (注) 1 最高裁判所事務総局の資料(概数)による。 2 数値は令和7年3月時点のものである。 3 意見聴取、記録の閲覧・謄写及び審判結果等の通知の申出のあった人数は、その年に制度を利用したか、申出を取り下げた又はこれを認めない判断がされた被害者等の延べ人数である。 |
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| 提供:法務省 | ||||||
(11) 少年審判の傍聴制度の周知
【施策番号137】
| 年次 | 少年審判の傍聴の実施状況 | 少年審判の状況説明制度の実施状況 | ||
|---|---|---|---|---|
| 傍聴の対象となった事件数 | 傍聴を許可した事件数(人数) | 申出のあった人数 | 認められた人数 | |
| 令和2年 | 60 | 28(51) | 313 | 301 |
| 令和3年 | 67 | 24(50) | 326 | 317 |
| 令和4年 | 76 | 29(60) | 286 | 275 |
| 令和5年 | 52 | 19(40) | 386 | 374 |
| 令和6年 | 60 | 21(47) | 502 | 480 |
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(注) 1 最高裁判所事務総局の資料(概数)による。 2 数値は令和7年3月時点のものである。 3 少年審判の傍聴の実施状況の傍聴の対象となった事件数は、その年に終局決定のあった事件数である。 4 少年審判の状況説明制度の実施状況の申出のあった人数は、その年の事件終局までに申出をした被害者等の延べ人数である。 |
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| 提供:法務省 | ||||
(12) 日本司法支援センターにおける支援に関する情報提供の充実
【施策番号138】



(13) 刑事に関する手続等に関する情報提供の充実
【施策番号139】
ア 法務省においては、被害者参加制度、少年審判の傍聴制度等の犯罪被害者等の保護・支援のための制度について分かりやすく解説した、犯罪被害者等向けパンフレット「犯罪被害者の方々へ」(https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11.html、法務省ウェブサイト「犯罪被害者の方々へ」2次元コード参照)を全国の検察庁に配布し、検察官が犯罪被害者等から事情聴取を行う際に必要に応じて手渡しているほか、各種イベントで配布するなどしている。同パンフレットは、法務省及び検察庁ウェブサイト上にも掲載している。
また、犯罪被害者等向けDVD「あなたの声を聴かせてください」を全国の検察庁に配布し、犯罪被害者等に対する説明に活用しているほか、YouTube法務省チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=J49bOdmpR2Y)で配信している。
警察においては、「被害者の手引」の内容の充実を図っている(【施策番号218】参照)。

2次元コード

【施策番号140】
イ 警察においては、その実情に応じ、英語、中国語等の外国語版の「被害者の手引」を作成・配布しているほか、ウェブサイトへの掲載情報の充実にも努めている。
【施策番号141】
ウ 法務省においては、外国人や視覚障害のある犯罪被害者等に対する情報提供を行うため、犯罪被害者等向けパンフレット「犯罪被害者の方々へ」について、日本語版に音声コードを導入したほか、英語版や点字版を作成し、全国の検察庁や点字図書館等に配布している。また、全編に字幕を付した犯罪被害者等向けDVD「あなたの声を聴かせてください」により、聴覚障害のある犯罪被害者等に対しても情報提供を行っている。
(14) 刑事に関する手続等に関する情報提供の充実及び司法解剖に関する遺族への適切な説明等
【施策番号142】
(15) 犯罪被害者等の意向を踏まえた証拠物件の適正な返却又は処分の推進
【施策番号143】
(16) 証拠品の適正な処分等
【施策番号144】
(17) 捜査に関する適切な情報提供等
【施策番号145】
ア 警察庁においては、「被害者連絡実施要領」(令和5年7月10日付け警察庁刑事局長等通達別添)に基づき、被害者連絡が確実に実施され、犯罪被害者等に対する情報提供が適切に行われるよう、都道府県警察を指導している。
また、都道府県警察においては、交通事故被害者等の心情に配慮した適切な対応が行われるよう、交通事故に関する被害者連絡を総括する者として都道府県警察本部に設置された被害者連絡調整官等が、警察署の交通捜査員に対する指導・教育を行っている。
さらに、被害者連絡等を通じて把握した犯罪被害者等の置かれている状況やニーズのうち、民間被害者支援団体や他の行政機関と共有すべきものについては、犯罪被害者等の同意を得た上で情報提供を行うなど、関係機関・団体との連携を図っている。
【施策番号146】
イ 法務省・検察庁においては、会議や研修等の様々な機会を通じ、捜査に及ぼす支障等も考慮しつつ、必要に応じて捜査に関する情報を捜査段階から犯罪被害者等に提供するよう、検察官等への周知に努めている。
○ 海上保安庁においては、捜査や公判に支障を及ぼしたり、関係者の名誉等を不当に侵害したりするおそれのある場合を除き、捜査に関する情報を犯罪被害者等に提供している。
(18) 適正かつ緻密な交通事故事件捜査の一層の推進等
【施策番号147】
(19) 交通事件に関する講義の充実
【施策番号148】
(20) 検察官に対する児童及び女性の犯罪被害者等への配慮に関する研修の充実
【施策番号149】
(21) 不起訴事案等に関する適切な情報提供
【施策番号150】
ア 法務省・検察庁においては、被害者保護の要請に配慮し、犯罪被害者等に対する不起訴記録の開示制度の弾力的な運用に努めている。
不起訴記録は非公開が原則であるが、交通事故に関する実況見分調書等については、裁判所からの送付嘱託又は弁護士会からの照会がなされた場合において、開示が相当と認められるときは、これに応じている。また、被害者参加制度の対象となる事件の被害者等については、当該事件の内容を知ること等を目的とする場合であっても、捜査や公判に支障を及ぼしたり関係者のプライバシーを侵害したりしない範囲で、実況見分調書等の弾力的な開示に努めている。さらに、被害者参加制度の対象とならない事件の被害者等についても、民事訴訟等において損害賠償請求権その他の権利を行使して被害を回復するため必要と認められる場合には、捜査や公判に支障を及ぼしたり関係者のプライバシーを侵害したりしない範囲で、実況見分調書等を開示している。
不起訴記録の弾力的な開示等については、会議や研修等の様々な機会を通じて、検察官等への周知に努めている(公判記録については、【施策番号130】参照)。
【施策番号151】
イ 検察庁においては、関係者の名誉等の保護の要請や捜査に及ぼす支障等にも配慮しつつ、検察官が犯罪被害者等の希望に応じ、不起訴処分の裁定前後の適切な時期に、当該処分の内容及び理由について十分な説明を行うよう努めている。また、法務省・検察庁においては、会議や研修等の様々な機会を通じて、犯罪被害者等の保護・支援等に関する講義を行うなどして、犯罪被害者等に対する不起訴処分に関する説明について、検察官等への周知に努めている。
(22) 検察審査会の起訴議決に拘束力を認める制度の運用への協力
【施策番号152】
(23) 受刑者と犯罪被害者等との面会・信書の発受の適切な運用
【施策番号153】
(24) 加害者処遇における犯罪被害者等への配慮の充実
【施策番号154】
【施策番号155】
イ 法務省においては、少年鑑別所や少年院に収容されている少年について、収容中に得られる情報に加え、家庭裁判所、保護観察所等の関係機関や保護者等から得られる情報についても、当該少年の少年簿に記載し、保護処分の執行に活用している。平成19年12月からは、犯罪被害者等に関する事項について必要な情報の一層の収集及び記載ができるよう、少年鑑別所や少年院において犯罪被害者等に関する事項を把握した際にも少年簿に記載することとした。
また、令和5年12月から刑の執行段階等における犯罪被害者等の心情等の聴取・伝達制度の運用が開始されたところ、少年鑑別所における鑑別で得られた犯罪被害者等に関する情報や同制度の実施状況等については、少年簿のうち必要な箇所に記録し、当該少年の処遇に携わる職員への情報共有がより確実に行われるよう努めている。そのほか、令和6年2月に施行された刑事訴訟法等の一部を改正する法律により、犯罪被害者等が個人特定事項を秘匿する措置の対象とされた場合は、少年簿にその旨を記載するなどして秘匿すべき情報等の管理を徹底している。
【施策番号156】
ウ 刑事施設及び少年院においては、令和5年12月から、刑の執行段階等における犯罪被害者等の心情等の聴取・伝達制度の運用を開始した。同制度は、受刑者及び在院者の矯正処遇や矯正教育において犯罪被害者等の心情等をより直接的に反映し、被害者の立場や心情への配慮等を一層充実させるとともに、受刑者等の反省や悔悟の情を深めさせ、その改善更生等を効果的に図ろうとするものであり、令和6年中に心情等を聴取した件数は、135件(刑事施設:96件、少年院:39件)、伝達した件数は129件(刑事施設:92件、少年院:37件)であった。法務省においては、引き続き、本制度の安定的な運用に努めるとともに、犯罪被害者等に十分に寄り添った運用となるよう、職員研修の実施、専用ウェブサイト(https://www.moj.go.jp/KYOUSEI/SHINJO/)による同制度の広報や関係機関・被害者支援団体等との関係構築等も進めている。
【施策番号157】
エ 法務省においては、性犯罪者等の特定の犯罪的傾向を有する保護観察対象者に対する専門的処遇プログラムの内容の充実等を図るとともに、犯罪被害者等の視点に立って、自己の考え方等を見直させる課題を含む当該プログラムの受講を、保護観察における特別遵守事項として設定するなどして、適切に対応している。令和6年中に特別遵守事項により専門的処遇プログラムを開始した人員は、性犯罪再犯防止プログラムが875人(前年:846人)、暴力防止プログラムが255人(前年:282人)、飲酒運転防止プログラムが176人(前年:189人)であった。また、保護観察対象者に対し、再び罪を犯さない決意を固めさせ、犯罪被害者等の意向等に配慮しながら誠実に対応するよう促すため、しょく罪指導を適切に実施している(しょく罪指導については、【施策番号104】参照 )。
【施策番号158】
オ 保護観察所においては、犯罪被害者等の申出に応じて犯罪被害者等から被害に関する心情、犯罪被害者等の置かれている状況等を聴取し、保護観察対象者に伝達する制度(心情等伝達制度)において、当該対象者に被害の実情を直視させ、反省や悔悟の情を深めさせるための指導監督を徹底している。
令和6年中に同制度に基づいて心情等を伝達した件数は、181件であった。
また、令和4年6月に成立した刑法等の一部を改正する法律により改正された更生保護法(以下「改正更生保護法」という。)が令和5年12月に施行されたことに伴い、保護観察対象者に伝達する場合に限らず、犯罪被害者等からの申出に応じて犯罪被害者等の心情等を聴取すること(心情等伝達制度を心情等聴取・伝達制度とすること)とされ、その適正な運用を図っている。
法務省においては、「更生保護の犯罪被害者等施策の在り方を考える検討会」報告書等を踏まえ、同月から、これまでに制度を利用した方が再度制度を利用する際には、本人確認資料の提出を省略するなどの同制度に係る手続の負担軽減を図るとともに、更生保護における犯罪被害者等施策に関するパンフレットやリーフレットの刷新、広報用動画の制作、相談受付フォームの設置を行うことや、犯罪被害者等がその居住地域にある保護観察所において、オンラインにより、加害者の保護観察を実施する保護観察所に対して心情等を陳述できるようにすること等により、犯罪被害者等による同制度へのアクセス向上を図っている。
また、令和4年10月から、しょく罪指導プログラムの内容を充実させるとともに、実施対象を拡大した改定後のプログラムを実施している(【施策番号104】参照)。
| 年次 | 心情等聴取・伝達件数 |
|---|---|
| 令和2年 | 155 |
| 令和3年 | 182 |
| 令和4年 | 170 |
| 令和5年 | 154 |
| 令和6年 | 181 |
| 提供:法務省 | |
(25) 犯罪被害者等の視点に立った保護観察処遇の充実
【施策番号159】
ア 地方更生保護委員会及び保護観察所の長は、これまでも、保護観察等の措置をとるに当たっては、当該措置の内容に応じ、犯罪被害者等の被害に関する心情、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情を考慮しているところ、改正更生保護法にその旨が明記されたことを踏まえ、一層適正な運用を図っている。
【施策番号160】
イ 改正更生保護法により、犯罪被害者等の被害の回復又は軽減に誠実に努めるよう、必要な指示等の措置をとることが保護観察対象者に対する指導監督の方法として加えられ、また、犯罪被害者等の被害を回復し、又は軽減するためにとった行動の状況を示す事実について、保護観察官又は保護司に申告又は当該事実に関する資料を提示することが、保護観察における遵守事項の類型に加えられたことから、これらに基づく指導監督の充実を図っている。
【施策番号161】
ウ 地方更生保護委員会においては、これまでも、犯罪被害者等の申出に基づき、仮釈放等を許すか否かに関する審理において、犯罪被害者等から加害者の仮釈放等に関する意見等を聴取していたところ、生活環境の調整及び仮釈放等の期間中の保護観察に関する意見についても併せて聴取することが改正更生保護法に明記されたことを踏まえ、仮釈放等審理はもとより、生活環境の調整やその後の保護観察処遇においても、犯罪被害者等の意見等をより一層考慮し、適正に実施している。
【施策番号162】
エ 法務省においては、令和4年4月から、保護観察対象者に対し、具体的な賠償計画を立て、犯罪被害者等に対しての慰謝の措置を講ずることを生活行動指針として設定し、これに即して行動するよう保護観察官等が指導すること等を内容とする運用指針に基づき指導の充実を図っている。
(26) 犯罪被害者等の意見を踏まえた仮釈放等審理の実施
【施策番号163】
| 年次 | 意見等聴取件数 |
|---|---|
| 令和2年 | 311 |
| 令和3年 | 329 |
| 令和4年 | 310 |
| 令和5年 | 305 |
| 令和6年 | 307 |
| 提供:法務省 | |
(27) 更生保護官署職員に対する研修等の充実
【施策番号164】
(28) 矯正施設職員に対する研修等の充実
【施策番号165】