1 「犯罪被害給付制度の抜本的強化に関する有識者検討会」の開催
警察庁においては、令和5年6月推進会議決定の項目<1>「犯罪被害給付制度の抜本的強化に関する検討」において、「犯罪被害給付制度について、警察庁において、関係府省庁の協力を得つつ、民事訴訟における損害賠償額も見据えて、算定方法を見直すことによる給付水準の大幅な引上げ…に関して検討を行」うこととされたことを受け、「犯罪被害給付制度の抜本的強化に関する有識者検討会」を開催することとした(犯罪被害給付制度(以下「犯給制度」という。)については、このほか、第2部【施策番号13】参照)。
(1) 犯罪被害者等が置かれた現状について
犯罪被害は、犯罪被害者等に様々な影響・困難をもたらすものである。例えば、犯罪被害に遭ったことで犯罪被害者本人の収入が途絶えるほか、家族が仕事を続けることができなくなったり、様々な出費を強いられたりするなど、犯罪被害は、犯罪被害者等に生活上の負担を強いるものである。
もとより、犯罪により生じた損害について、第一義的責任を負うのは加害者であるが、実際には加害者からの損害賠償は十分に受けられていない現状にある。
(2) 本検討会の開催経過
本検討会においては、令和5年8月から令和6年4月までの間、有識者構成員のほか、法務省、厚生労働省及び国土交通省の参加を得て、10回にわたって検討会を開催し、上記の犯罪被害者等が置かれた現状に対して、特に国からの経済的支援について、現行の犯給制度の見直しができないか、現行の犯給制度にとらわれることなく新たな経済的支援について考えられないかなどについて議論を行った。
同月25日、議論の内容が取りまとめられ、警察庁ウェブサイト「犯罪被害者等施策」(https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/meeting/kyufu_kyouka/kaisai/index.html)においてその内容を公表している。