第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第2章 犯罪被害者等のための具体的施策



(11) 交通事故被害者等の声を反映した国民の理解増進

 警察において、交通事故被害者等の声を反映した国民の理解増進を図ることとされた。

 交通事故の悲惨さについての理解増進に資するため、交通事故被害者等の手記をとりまとめた冊子等の作成・配布や、交通安全の集い等における被害者等の講演を実施している。平成17年中は、全国で交通事故被害者等の手記をとりまとめた冊子等を約200万部作成するとともに、交通事故被害者等による講演会等を約160回実施した。

 また、各都道府県警察での運転者に対する各種講習において、交通事故被害者等の切実な訴えが反映されたビデオ、手記等の活用や、被害者等の講話等により被害者等の声を反映した講習を実施している。具体的には、交通事故被害者等が自らの体験に基づくありのままの心情を語りかけることにより交通事故の悲惨さや安全運転等を訴える講習用ビデオを警察庁において作成・配布し、各都道府県警察において各種講習時に活用している。

 さらに、平成17年6月、警察庁より通達を発出し、運転者に対する講習において交通事故の被害者等の声を紹介することについて、各都道府県警察において積極的に推進するように指示した。平成17年末現在、3道府県において、交通事故被害者が講師として参画する停止処分者講習を実施している。

(12) 国民の理解の増進を図るための情報提供の実施

 内閣府においては、犯罪被害者等や犯罪被害者等の援助に精通した有識者等を招き、関係省庁の職員を対象とする「犯罪被害者等施策講演会」を開催し、その概要をインターネット等で国民向けに情報提供することとされた。現在、準備を行っている。

(13) 調査結果の公表を通じた犯罪被害者等の置かれた状況についての国民理解の促進

 内閣府において、調査結果の公表を通じた犯罪被害者等の置かれた状況についての国民理解の促進を図ることとされた。

 犯罪被害者等の置かれた状況や当該状況の経過等に関する基礎的な事項を把握するための継続的な調査については、第4節2「調査研究の推進等(基本法第21条関係)」(3)を参照。

 犯罪被害者等の置かれた状況に関する国民の理解の程度や必要な配慮の程度、心無い言動等からくる二次的被害に対する認識等については、平成18年8月上旬を目途に、「犯罪被害者等に関する国民意識調査企画分析会議」を立ち上げた。調査方針や調査事項等を踏まえ調査票を作成した後、11月ごろに調査を実施し、平成18年度末を目途に調査結果を踏まえた報告書を作成するとともに、今後の施策展開の参考にする予定である。

(14) 学校における犯罪被害者等である児童生徒への的確な対応のための施策の促進

 文部科学省において、学校における犯罪被害者等である児童生徒への的確な対応のための施策を促進することとされた。

 教育相談体制の充実等、教職課程及び教員に対するカウンセリングに関する研修、臨床心理士の養成及び研修については、第2節1「保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)」(12)及び(17)並びに第4節1「相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)」(25)を参照。

 養護教諭の指導力の向上のため、指導用参考資料「養護教諭が行う健康相談活動の進め方-保健室登校を中心に-」(財団法人日本学校保健会)の作成、養護教諭を対象とした研修会の開催等を進めている。また、平成17年度は、事件等により心に傷を受けた子どもの心のケアのためのリーフレット(保護者用)を作成している。

▼子どもの心のケアのためのリーフレット

子どもの心のケアのためのリーフレット

出典:文部科学省ホームページ



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