第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第2章 犯罪被害者等のための具体的施策



(9) 警察における民間の団体との連携・協力の強化

 警察において、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体との連携を一層強化し、支援を行っていくとともに、生活・医療・裁判等多岐にわたる分野の関係機関・団体等による横断的な支援活動を実施するための被害者支援連絡協議会における相互の協力及び緊密な連携を図っていくこととされた。

 被害者のニーズは、生活上の支援を始め、医療、公判に関すること等極めて多岐にわたっており、警察がそのすべてに対応することは困難であることから、総合的な被害者支援を行うためには、司法、行政、医療、報道機関等の被害者支援に関係する機関・団体等が相互に連携していくことが必要である。

 こうした考え方に基づき、警察のほか、地方検察庁、弁護士会、医師会、臨床心理士会、知事部局や市の担当部、県や市の相談機関等による「被害者支援連絡協議会」が全都道府県に設立されている。この連絡協議会の下、各機関・団体等の緊密な連携と協力により、被害者のニーズに応じた支援活動を推進している。

 さらに、個々の事案において、被害者の具体的なニーズを把握し、よりきめ細かな支援を行うために、警察署を単位とした連絡協議会(被害者支援地域ネットワーク)の構築を進めている。

警察と関係機関・団体等とのネットワーク

出典:内閣府犯罪被害者等施策ホームページ
(第4回「支援のための連携に関する検討会」警察庁資料)


(10) 日本司法支援センターによるネットワークの構築とコーディネーター機能の発揮

 第4節1「相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)」(34)を参照。

《基本計画において、「1~3年以内を目途に検討の結論を得て、施策を実施する」とされたもの(「1~2年以内を目途に実施する」とされたものを含む。)》

(11) 民間の団体に対する財政的援助の在り方の検討及び施策の実施

 民間団体は、犯罪被害者等がいつでもどこでも支援が受けられる体制の整備に不可欠であるとともに、自らも犯罪被害者等である者や様々な経験・能力を持った者が参加することにより、犯罪被害者等が有する多様な事情に応じたきめ細かな対応を可能とするものである。こうした民間団体は、寄付やボランティアに支えられ、懸命に活動しているが、そのほとんどが財政面、人材面等における困難を抱え、犯罪被害者等の多様・多量のニーズに比べると、依然として質・量共に大きく不足しており、大幅な拡充が必要であるとの指摘がある。

 このため、犯罪被害者等の援助を行う民間団体に対する国による財政的な援助を現状よりも手厚いものとする必要があることを前提に、被援助団体となる対象、援助されるべき事務の範囲、援助の経路や財源等の総合的な在り方を検討するため、推進会議の下に、平成18年4月、「民間団体に対する援助に関する検討会」が設置された。現在、同検討会で検討を進めており、平成19年春ごろに報告書の中間とりまとめを行い、その後、国民から広く意見を募集し、更にそれらの結果を踏まえた検討を行い、同年末には最終報告書をまとめる予定である。

(12) 民間の団体で支援活動を行う者の養成及び研修等の在り方についての検討

 第4節1「相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)」(45)を参照。



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