第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第2章 犯罪被害者等のための具体的施策



(34) 日本司法支援センターによる支援

 日本司法支援センターにおいて、総合法律支援法(平成16年法律第74号)に基づき、民事法律扶助制度の活用による弁護士費用及び損害賠償請求費用の負担軽減を図り、被害を受けたときからの時間経過の長短を問わず、犯罪被害者等の支援に精通した弁護士の紹介等も含めた様々な情報を速やかに提供することとし、具体的な業務の在り方について、犯罪被害者等やその支援に携わる者の意見を踏まえて準備作業を進め、警察庁その他関係機関及び日本弁護士連合会等と十分な連携を図るとともに、センターの機能及び犯罪被害者等支援に関する具体的情報を十分に周知させることとされた。

日本司法支援センターによる支援 イメージ

出典:法務省ホームページ

 そこで、平成16年11月から全国50地域において、日本司法支援センター地方準備会を設置し、各地における関係機関等から意見を聴取し、協議すること等を目的としたプレ地方協議会を開催(平成17年3月~同年11月、同18年2~3月)するとともに、日本司法支援センターの設立へ向けて関係機関(全国被害者支援ネットワーク・日本弁護士連合会・(財)法律扶助協会・警察庁・法務省)との協議を実施(平成17年12月~同18年2月)した。その後、同センター地方事務所に対し、各地における被害者支援連絡協議会への参加申入れを指示(平成18年5月)した。

 なお、平成18年4月10日に日本司法支援センターを設立し、同年10月2日から業務を開始している(日本司法支援センターホームページ:http://www.houterasu.or.jp/)。

(35) 「NPOポータルサイト」による情報取得の利便性確保

 内閣府において、特定非営利活動法人としての法人格を有する犯罪被害者等の援助を行う団体等の情報について、平成17年度に開設した「NPOポータルサイト」での検索により取得可能とすることとされた。

 現在、当該情報はNPOポータルサイトにおいて検索できるようになっている(内閣府国民生活局:http://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/Portal_search)。

(36) 犯罪被害者団体等専用ポータルサイトの開設

 内閣府において、犯罪被害者等同士が出会うための情報の整理等を行い、自助グループを含む各犯罪被害者団体等における活動等を紹介するため、新たに、犯罪被害者等の間のネットワーク作りを円滑に行えるような犯罪被害者団体等専用ポータルサイトを開設することとされた。現在、準備作業を行っている。

(37) 自助グループの紹介等

 警察において、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体との連携を図りつつ、犯罪被害者等の要望を踏まえ、犯罪被害者等に対し、自助グループの紹介等を行っていくこととされた。現在、警察における相談や支援等の機会に、又は、民間被害者支援団体を通じて、自助グループを紹介している。

(38) 犯罪被害者等施策のホームページの充実

 内閣府において、犯罪被害者等施策のホームページについて、関係法令の整備その他必要な情報の更新を行い、充実を図っていくこととされた。

 内閣府犯罪被害者等施策ホームページ(http://www8.cao.go.jp/hanzai/index.html)においては、犯罪被害者等基本法・犯罪被害者等基本計画の内容、犯罪被害者等施策推進会議等の政府における推進体制や都道府県・政令市主管課室長会議に関する情報提供を行っている。また、基本計画の案を作成するために推進会議の下に置かれた犯罪被害者等基本計画検討会や策定された基本計画の効果的推進等のための基本計画推進専門委員等会議等の配布資料や議事要旨等を公表している。

 こうした取組を通じ、犯罪被害者等施策に係る国民の理解を増進するとともに、必要な情報提供に努めている。

(39) インターネット以外の媒体を用いた情報提供

 各府省庁において、犯罪被害者等に対して情報提供を行う際、インターネット以外の媒体を用いて必要な情報が提供されることを通じて、インターネット等で情報を得ることができる者とそうでない者との間に不公平が生じないよう配慮するとともに、積極的な情報提供に努めることとされた。

 内閣府においては、犯罪被害者等基本法の制定及び犯罪被害者等基本計画の策定に係る経緯や基本法・基本計画の概要を記した「犯罪被害者等基本計画紹介パンフレット」を作成し、これまで、関係省庁、都道府県・政令指定都市のみならず、犯罪被害者支援団体や犯罪被害者団体等に対して、延べ約2,600部を配布している。また、犯罪被害者等施策推進会議や基本計画推進専門委員等会議の議事については、会議開催後にメディアに対してその概要を説明する等、積極的な情報提供に努めている。

 警察庁においては、「被害者の手引」の確実な配布を更に徹底するとともに、広報用冊子「警察による犯罪被害者支援」や新聞、テレビ、ラジオ、ミニ広報紙、警察広報紙、地方公共団体その他の広報紙等を活用した広報啓発活動を通じて積極的な情報提供に努めている。

 総務省においては、住民基本台帳の閲覧制度改正について、地方公共団体に対する説明会を開催しその模様を自治体衛星通信機構において放映するとともに、同通信機構において紹介番組を放映する予定である。また、リーフレットを作成し、全市町村の窓口に配置する予定である。

 法務省においては、刑事手続及び犯罪被害者保護・支援のための制度等を分かりやすく説明するとともに、内容を拡充してより広範な案内となるような被害者向けパンフレット及び外国語パンフレットの作成のため、現在関係部局等と調整中であり、また、上記制度等を分かりやすく紹介するためのDVDを制作すべく準備中であり、平成18年度中に配布する予定である。なお、犯罪被害者等の損害賠償請求に係る民事訴訟手続に関する情報提供については、被害者向けパンフレットにこれらの情報を掲載して周知を図るべく、準備を進めている。

 文部科学省においては、都道府県教育委員会に対し基本計画資料を配布するとともに、各種会議において都道府県教育委員会の生徒指導担当者や都道府県の私立学校主管部課長等に対して基本計画説明資料を配布・説明している。また、犯罪被害者等施策にかかわる府省庁の協力を得て、「被害者の手引」等当該制度に関する案内書や申込書を教育委員会に常備し、提供していくことを促進することとしている。

 厚生労働省においては、警察庁にて作成している「被害者の手引」において、厚生労働省における犯罪被害者支援制度等について記載している。また、児童虐待について各界各層の幅広い国民の理解を深め、社会的関心の喚起を図るため、平成16年度から11月を「児童虐待防止推進月間」と位置付け集中的な広報啓発活動を実施している。平成17年度では、月間標語の公募・決定、全国フォーラムの開催(11月22~23日)、広報啓発ポスター・チラシの作成、配布及び政府広報を活用した各種媒体(テレビ、新聞、雑誌等)による広報啓発等を行い、関係省庁や地方公共団体、関係団体等と連携した集中的な広報啓発活動を実施している。

 国土交通省においては、公営住宅への入居に関する情報について、平成17年12月、管理主体に対し募集パンフレットやホームページへの記載及び警察当局との連携による情報提供を要請している。また、法務省作成の犯罪被害者用パンフレット「犯罪被害者の方々へ」において、公営住宅への優先入居等の施策について記載する予定である。

▼被害者の手引

被害者の手引

▼犯罪被害者の方々へ

犯罪被害者の方々へ

出典:警察庁及び法務省ホームページ



目次 << 前の項目に戻る 次の項目に進む >>