第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第2章 犯罪被害者等のための具体的施策



《基本計画において、「1~3年以内を目途に検討の結論を得て、施策を実施する」とされたもの(「1~2年以内を目途に実施する」とされたものを含む。)》

(10) 損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度を新たに導入する方向での検討及び施策の実施

 法務省において、附帯私訴、損害賠償命令、没収・追徴を利用した損害回復等、損害賠償の請求に関して刑事手続の成果を利用することにより、犯罪被害者等の労力を軽減し、簡易迅速な手続とすることのできる制度について、我が国にふさわしいものを新たに導入する方向で必要な検討を行い、2年以内を目途に結論を出し、その結論に従った施策を実施することとされた。

 これを受け、一定の場合に、財産犯等の犯罪行為により犯人が得た財産である犯罪被害財産の没収・追徴を可能にした上で、これにより得られた財産を被害回復給付金として当該事案の被害者等に支給すること等を内容とする「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律」及び「犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律」が平成18年6月13日に成立した(同月21日公布、同年12月1日施行)。

 そのほか、損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用することができる制度の導入については、平成18年2、3月に、被害者団体やその支援団体からヒアリングを行い、直接意見や要望を伺った上で、その後、具体的な制度の在り方について、継続的にこれらの団体と意見交換を続けており、一日も早くこれを実現することができるよう積極的に検討を進めている。同年9月6日には、法務大臣より法制審議会に対し、法整備に関する諮問を行った。

(11) 損害賠償債務の国による立替払及び求償等の是非に関する検討、公費による弁護士選任、国による損害賠償費用の補償等の是非に関する検討

 第1節2「給付金の支給に係る制度の充実等(基本法第13条関係)」(7)を参照。

(12) 公判記録の閲覧・謄写の範囲拡大に向けた検討及び実施

 第3節1「刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)」(24)を参照。



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