1 国民の理解の増進(基本法第20条関係)
トピックス 犯罪被害者週間
第4次基本計画においては、「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」が重点課題の一つとして掲げられ、「様々な機会や媒体を通じ、教育活動、広報啓発活動等を継続的に行うなどして、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等に関する国民の理解・共感を深め、犯罪被害者等への配慮・尊重と犯罪被害者等のための施策への国民の協力を確保するための取組を推進しなければならない。」とされている。
このため、警察庁では、関係府省庁の協力を得て、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」として設定し、これに合わせて、広報啓発活動を集中的に実施することとしている。
令和5年度は、犯罪被害者週間に合わせた広報啓発事業として、タレントの井上咲楽氏を起用したメッセージ動画をSNS等で配信するとともに、12月1日に中央イベント(東京都)を、11月28日に地方公共団体等との共催による地方大会(山梨県)を、それぞれ開催した。各イベントはオンラインでライブ配信を行うとともに、期間限定でYouTubeにて見逃し配信を行った。

【中央イベント】
中央イベントでは、「犯罪被害者等支援に関する標語」の最優秀作品及び「『大切な命を守る』全国中学・高校生作文コンクール」の優秀作品の表彰式、基調講演、パネルディスカッションを行った。
基調講演では、犯罪被害者遺族の寺輪悟氏による「あなたが突然、犯罪被害者遺族になったら・・・」と題した講演が行われ、御息女を亡くされた心情、残された家族の苦悩、周囲からの支え等について語られ、誰もが犯罪被害を自分事として捉え、犯罪被害者等支援が広がっていくことへの願いが訴えられた。
パネルディスカッションでは、「途切れない支援の実現に向けて~みんなで被害者を支えよう~」をテーマに、コーディネーターとして尾﨑万帆子氏(白梅学園大学子ども学部子ども学科講師)、パネリストとして木本克己氏(横浜市市民局人権課専任職(社会福祉業務担当)、精神保健福祉士、公認心理師、臨床心理士)、林貴子氏(公益社団法人全国被害者支援ネットワーク認定コーディネーター、公益社団法人ぎふ犯罪被害者支援センター犯罪被害相談員、公認心理師)、登坂比奈子氏(埼玉県警察本部警務部警務課犯罪被害者支援室技術職員、警察庁指定広域技能指導官、社会福祉士、公認心理師、臨床心理士)を迎え、犯罪被害者等が置かれる状況、関係機関・団体による支援、周囲の人々ができる支援等について参加者からの質問を交えながら議論が行われた。

全国中学・高校生作文コンクール)


【山梨大会】
山梨大会は、警察庁と山梨県、山梨県警察、公益社団法人被害者支援センターやまなしとの共催で開催した。
基調講演では、犯罪被害者遺族の岩城順子氏による「犯罪被害者の思いをつむぐ支援とは」と題した講演が行われ、当時大学生の御子息が傷害事件で重度障害を負い、事件から3年後に亡くなられた経験から、大きく変化した日常生活や二次的被害とともに、事件後、京都府犯罪被害者サポートチームで活動するに至った経緯やその活動等について語られ、一人一人が犯罪被害者等に関心を持ち、理解を深めてほしいとの願いが訴えられた。
パネルディスカッションでは、「被害者支援のために私たちができること」をテーマに、コーディネーターとして外川伸一氏(山梨学院大学法学部政治行政学科・大学院社会科学研究科元教授、山梨県犯罪被害者等支援条例検討会議及び山梨県犯罪被害者等支援計画検討会議委員)、パネリストとして岩城順子氏(基調講演者)、赤池和美氏(公益社団法人被害者支援センターやまなし専務理事)、石川恵氏(令和4年度山梨県弁護士会会長、山梨県犯罪被害者等支援条例検討会議及び山梨県犯罪被害者等支援計画検討会議委員(座長)、公益社団法人被害者支援センターやまなし理事)、稲永澄子氏(山梨県臨床心理士会被害者支援委員会副委員長)を迎え、各機関・団体における支援活動、今後の展望等について議論が行われた。



もしも、自分や周囲の人が犯罪被害にあってしまったら・・・と想像したことはありますか?
犯罪被害にあうと、直接的な被害だけでなく、その後も様々な困難に直面します。
あなたの近くに、被害にあわれた方がいたら、その声に耳を傾け、あなたにできることを探してみてください。
一人一人の優しさをつなげて、みんなで被害者の方々を支えていきましょう。