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第2部 第4次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策の進捗状況
第4章 支援等のための体制整備への取組

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3 民間の団体に対する援助(基本法第22条関係)

トピックス 民間被害者支援団体における犯罪被害者支援

■ 未就学保育園児からの寄附金贈呈

公益社団法人やまがた被害者支援センター

公益社団法人やまがた被害者支援センターにおいては、財政基盤を強化するため、寄附金付き自動販売機の設置拡大や賛助会員の拡大・寄附金確保のための広報活動に努めておりますが、令和5年11月7日、県内小国町所在の社会福祉法人白百合保育園から寄附金の贈呈がありました。

白百合保育園では、令和3年度から山形県小国警察署と連携し、ヒマワリを育てる活動を通じて、交通事故根絶につなげる「ひまわりの絆プロジェクト」を行っておりますが、令和5年9月30日に開催した、「小国町交通安全フェスティバル」の中で同園児が、小国警察署と小国高等学校が共同で作成した、ひまわりの絆プロジェクトを題材にした紙芝居を披露するとともに、被害者支援活動に対する募金活動も行い、そこで集まった町民等からの善意を当センターに寄附していただきました。

なお、未就学児の活動による善意が当センターに贈られるのは今回が初めてのことです。

当センターとしては、これら寄附等による財政的基盤の充実はもとより、被害者支援の輪を広げ、社会全体で被害者を支えるという機運の向上に努めてまいります。

未就学保育園児からの寄附金贈呈
未就学保育園児からの寄附金贈呈

■ 犯罪被害者等支援に関する広報及び啓発に向けた取組
  ~ 運送業者トラックの運行による「犯罪被害者支援プロジェクト」の始動 ~

認定NPO法人静岡犯罪被害者支援センター

認定NPO法人静岡犯罪被害者支援センターでは、犯罪被害者等支援に関する広報及び啓発活動の強化に向けた取組の一環として、県内運送業者及び静岡県警察の協力の下「犯罪被害者支援プロジェクト」と命名し、運送業者が所有する大型トラックに犯罪被害者等支援シンボルマーク「ギュっとちゃん」と当センターの連絡先をプリントとした「犯罪被害者支援号」を県内各地域へ運行することにより、走る広告塔として広報啓発活動の一翼を担っていただくとともに、同車両の走行距離に応じ、犯罪被害者等支援のための寄附に協力していただけるという全国初の取組を開始しました。

この取組により、犯罪被害者等支援について、広く県民に浸透が図られるとともに当センターの認知度の拡大に繋がるものと考えております。

引き続き、犯罪被害者等に寄り添った切れ目のない支援を継続させるためにも、関係機関の皆様と連携を図りながら、各種取組の充実を図ってまいります。

犯罪被害者等支援に関する広報及び啓発に向けた取組
犯罪被害者等支援に関する広報及び啓発に向けた取組

■ 「ガチャガチャ」で犯罪被害者の支援に貢献

公益社団法人ひょうご被害者支援センター

社会貢献型カプセル自動販売機(ガチャガチャ)は売上げの一部が公益社団法人ひょうご被害者支援センターに寄附される新しい取組です。

ガチャガチャの設置・運営を行う企業と県警被害者支援室が、兵庫県姫路市内の設置先企業に働きかけ、設置先企業が運営するJR姫新線太市駅前にあるカフェ・レストランの店舗前に設置されました。

目的は、当センターの知名度の向上と財源確保で、設置・運営を行う企業が、売上げの一部を当センターへ送る仕組みとなっています。

12台のガチャガチャの中身は、人気キャラクターの関連商品が多く、購買層の中心は家族連れです。

設置先企業の専務は「こどもが欲しがっても、お金を払う親にとっては魅力が分からないことがある。社会に貢献できるとなれば、納得して購入してくれるのでは。」と話されました。

誰もが親しめるガチャガチャを通して、犯罪被害者の実情について少しでも多くの人に関心を持ってもらい、犯罪被害者に目を向けるきっかけにもなってほしいと願っています。

「ガチャガチャ」で犯罪被害者の支援に貢献

■ 新たな支援の形「TamaCoffee~繋がりの輪~」

公益社団法人くまもと被害者支援センター

熊本県の県立玉名高校で、交通事故で亡くなったこどもの意思を継ぎ、コーヒー店を開店された深迫夫妻による講演があり、これに感銘を受けた同校生徒会は、犯罪被害者等のために何かできないかと協議を行い、自分たちで制作したコーヒーを販売することで、売り上げを被害者支援のために役立てるとともに、支援の繋がりの輪を広げたいと考えました。

そこで、生徒会員5名は、深迫夫妻に相談し、その協力を得ながら、コーヒー豆の選別、焙煎からパッケージのデザインまで自分達で行い、「TamaCoffee」が完成しました。

同校の創立120周年記念文化祭において販売を行ったところ、学校関係者、来訪者、OB会等の賛同を受け、制作した5,000パックを完売することができ、売上金の約26万円を公益社団法人くまもと被害者支援センターに寄附していただきました。 

生徒によると、「犯罪被害者を支援できると知った小学生がお金を出し合わせて購入してくれたことがとてもうれしかった。」という話もあり、財政的な支援はもとより、あらゆる世代に被害者支援の意識を醸成することにも大きく貢献していただいた取組であったと深く感謝しており、このような支援の輪がさらに広がっていくことを願っております。

新たな支援の形「TamaCoffee~繋がりの輪~」
新たな支援の形「TamaCoffee~繋がりの輪~」

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