4 留置施設の管理運営
(1)留置施設の管理運営
平成28年4月1日現在、留置施設は全国で1,157施設(収容基準人員(注)2万1,625人)設置されている。警察では、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に基づき、捜査と留置の分離を徹底しつつ、被留置者の人権に配慮した処遇及び施設の改善を推進しており、月に2回の健康診断の実施、健康に配慮した食事の提供、冷暖房装置の整備等のほか、次のような取組を行っている。
① 女性被留置者に対する適切な処遇
警察では、女性被留置者に対してより適切な処遇を行うという観点から、女性被留置者のみを留置し、女性警察官が常時看守業務に従事する女性専用留置施設の設置を推進しており、全国の同施設は、23年4月から27年4月の間に26施設が整備され計88施設となった。さらに、留置施設への女性警察職員の配置を進めるなど、物的及び人的基盤の整備を進めている。
② 外国人被留置者に対する適切な処遇
警察では、外国人被留置者向けに、外国語版の告知書(注)を用意しているほか、被留置者の信仰する宗教を踏まえた食事の提供を行うなど、言語や宗教等の違いに配慮した処遇に努めている。
③ 留置施設視察委員会
留置施設の運用状況の透明性を高めるため、警察部外の第三者から成る機関として、留置施設視察委員会(以下「委員会」という。)が、警視庁、道府県警察本部及び方面本部に設置されている。委員会は、弁護士等の法律関係者や医師、地域住民等の委員で構成されている。各委員は、留置施設を実際に視察し、被留置者と面接するなどして留置施設の実情を把握した上で、委員会として留置業務管理者(警察署長等)に意見を述べるものとされており、警視総監、道府県警察本部長及び方面本部長は、委員会からの意見及びこれを受けて警察が講じた措置の概要を公表することとされている。
留置施設視察委員会による留置施設の視察状況
(2)被留置者の収容状況
平成27年中の被留置者の年間延べ人員は、全国で約348万人(1日平均約9,500人)と、前年より約4千人(0.1%)増加した。
留置施設の収容率(注)は、全体としては低下しつつあるが、一時的に過剰な収容状態となる場合が依然としてあることから、警察では、拘置所等刑事施設への早期の移送を要請するなどにより、収容力の確保を図っている。また、留置施設の整備に当たっては、被留置者の居室を並列に配置し、居室前面の一部に遮へい板を設けるなど、被留置者のプライバシー保護に配慮した設計を取り入れている。
留置施設(女性専用留置施設)内の状況