第1章 組織犯罪との闘い |
事例1
フィリピン人A,Bは,貨物船の船員であるが,埠(ふ)頭に係留中の同船において,けん銃5丁とこれらに適合する実包81発,大麻19キログラムを所持していたところ,警察,税関及び海上保安庁による同船に対する合同の船内検査により,同けん銃及び実包が発見され,10年3月,逮捕された。 Aは,取調べで,「フィリピンの港に入港中,2人のフィリピン人男性X,Yに「金になる仕事がある」と声を掛けられ,港近くのホテルに連れて行かれ,X,Yのボスと思われる男の部屋において報酬25万ペソでけん銃と大麻の密輸を引き受けた。その日のうちに,Xと知らない男と3人で,けん銃と大麻の入ったバッグを自分の船室まで運び,ロッカー内に隠匿した。一人での密輸は困難であると判断して,船員仲間のBを報酬5万ペソで仲間に入れた」と供述するとともに,日本側荷受人について,写真から指定暴力団関係者である男を特定した(岩手,警視庁,熊本)。 |
事例2
台湾人Aは,台湾人Xと飲食店の共同経営をめぐってトラブルとなり,台湾人B,Cを連れて,Xの経営する飲食店に赴き,準備していたけん銃をXに突き付けてタクシーに連れ込み,別の店舗に逮捕監禁し,脅迫するなどした。しかし,被害関係者からの110番通報により,A,B,Cの3名は警察に逮捕され,使用したけん銃2丁が押収された。けん銃の入手先について,指定暴力団員から100万円を担保に借り受けた旨供述し,写真により指定暴力団幹部Dを特定した。同人は覚せい剤中毒で事故死した(鹿児島)。 |
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