第1章 組織犯罪との闘い |
事例1
覚せい剤等を密売していたイラン人密売人(35)らを検挙したところ,密売していた覚せい剤については栃木県内に縄張を持つ山口組系暴力団幹部(28)から,大麻については仲間のイラン人から仕入れていたことが明らかとなり,14年7月,同暴力団幹部を麻薬特例法違反で検挙した。イラン人密売人らは,10グラム当たり約8万円から約12万円で覚せい剤を仕入れ,0.3グラム当たり1万円で密売していた(栃木,群馬,茨城)。 |
事例2
警視庁と厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部は,15年3月までに,都内繁華街で薬物密売を行っていたイラン人から場所代として現金を徴収していた住吉会傘下組織の組長(57),四次組織の組長(53)らとイラン人(38)らを麻薬特例法違反で検挙した。 組長らは,10年ころから自己の縄張内の繁華街で,イラン人による薬物密売が活発になってきたと認識したが,イラン人密売人を排除するよりも,場所代名下に現金を徴収して組の活動資金にしようと考え,配下の組員に指示し,パトロールと称して複数の組員が縄張内を回らせ,イラン人密売人から薬物犯罪収益のうち1か月最低25万円を徴収していた。一方,イラン人密売人らも,安定した薬物密売ができるよう,薬物犯罪収益の一部を支払うことに決め,取りまとめ役のイラン人が末端のイラン人密売人から薬物犯罪収益を徴収し,これを組の集金役に支払っていた(警視庁)。 |
前の項目に戻る | 次の項目に進む |