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2 調査研究の推進等(基本法第21条関係)

《基本計画において〔今後講じていく施策〕とされたもの》

(1) 犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究

厚生労働省において、平成17年度より厚生労働科学研究で「犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究」を3年計画で行っている。

平成17年度、18年度で、犯罪被害者の精神状態についての実態とニーズ調査、心理的外傷治療の調査、精神保健福祉センターなどの職員が犯罪被害者に関わる場合のマニュアル作りのための調査などを行った。

平成19年度は、17年度、18年度の調査研究の結果などを踏まえて、精神科医療機関における犯罪被害者治療を促進するための提言をまとめた。20年度には、「犯罪被害者等支援のための地域精神保健福祉活動の手引」(http://www.ncnp.go.jp/nimh/seijin/www/pdf/shiryo_tebikizenbun.pdf別ウインドウで開きます)を作成し、精神保健福祉センターに配布した。

平成20年度より厚生労働科学研究で「大規模災害や犯罪被害等による精神科疾患の実態把握と介入手法の開発に関する研究」を3年計画で行っているところであるが、平成23年度からは「大規模災害や犯罪被害等による精神科疾患の実態把握と対応ガイドラインの作成・評価に関する研究」を3年計画で実施している。

(2) 犯罪被害者等の状況把握等のための継続的調査の実施

内閣府において、犯罪被害者等の置かれた状況や当該状況の経過などを把握するため、身体犯一般、交通事犯、性犯罪といった被害類型別に、犯罪被害者等の置かれた状況などに関する調査を平成19年度から平成21年度まで3年間継続して行った。今後、一定の期間経過後、警察庁、法務省及び厚生労働省並びに犯罪被害者団体等の協力を得て、犯罪被害類型別、被害者との関係別に、犯罪被害者等の置かれた状況等を把握するため、犯罪被害類型等ごとの調査を実施することとしている。

(3) 交際相手からの暴力に関する調査の実施

内閣府において、3年に1度を目途に配偶者からの被害経験など男女間における暴力による被害の実態把握に関する調査を行っている。平成23年度は、配偶者に該当しない交際相手からの暴力も含む暴力の被害実態を把握するための調査を実施し、平成24年4月に内閣府ホームページに調査結果を公表した(「女性に対する暴力」に関する調査研究http://www.gender.go.jp/e-vaw/chousa/h24_boryoku_cyousa.html)。

(4) 性犯罪被害者に関する調査の実施

P10「交際相手からの暴力に関する調査の実施・性犯罪被害者に関する調査の実施」参照

(5) 法務省における「犯罪被害実態調査」の調査に関する検討

法務省において、「国際犯罪被害実態調査」に参加する形で平成12年から4年ごとに国内調査を実施しており、4回目となる調査を平成24年1月に全国で実施した。今後、関係機関において犯罪被害者等に対する適切な支援策など被害者関係施策について幅広く検討する際の基礎資料として活用されるよう、平成24年度中に調査結果を取りまとめ、公表する予定である。

(6) 警察における犯罪被害者等支援に携わる職員等への研修の充実

警察において、職員の犯罪被害者等への適切な対応を確実にするため、各級警察学校、職場での研修の充実を図っている。

具体的には、各級警察学校において、職員の採用時や昇任時、専門分野への任用時に犯罪被害者支援に係る基礎的な教育を実施しているほか、犯罪被害者支援担当部署に配置された職員に対する犯罪被害者支援の実践的な技能を修得させるため臨床心理士によるロールプレイング方式の演習を含む専門的な教育やカウンセリング業務に従事する職員等に対する基礎的な教育及び実践的・専門的な教育を実施している。

また、警察署などの職場において、警察本部犯罪被害者支援担当課による巡回指導、部外有識者を招請しての研修会や特別講義、個々の具体的な支援要領についてのグループ討議などの各種教育を行っている。

(7) 犯罪等による被害を受けた児童の継続的な支援を行う警察職員の技能取得

警察において、都道府県警察の少年サポートセンターなどに勤務する被害児童の継続的な支援を行う少年補導職員などに対し、大学教授やカウンセラーなどの専門家を講師としたカウンセリングの技法に関する講習(カウンセリング技術専科など)を実施している。

また、大学の研究者、精神科医、臨床心理士など部外の専門家を被害少年カウンセリングアドバイザーとして委嘱し、支援を担当する職員が専門的な助言を受けることができるようにしている。

(8) 日本司法支援センターが蓄積した情報やノウハウの提供

法テラスにおいて、平成19年1月から、法テラスのホームページにおいて、犯罪被害者支援を行う関係機関・団体などの情報を提供している(同ホームページhttp://www.houterasu.or.jp/別ウインドウで開きますトップページ右上にある「相談窓口情報検索」)。また、同情報検索の方法に関する説明も併せてホームページで公開し、その利用を促している。さらに、犯罪被害者等から関係機関・団体の窓口に、その機関・団体で実施している支援以外の問合せが寄せられた場合には、法テラス・サポートダイヤル(コールセンター)や全国の地方事務所を紹介してもらい、犯罪被害者等の方々の問合せの内容に応じて適切な支援窓口や犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介などを行っている。

(9) 虐待を受けた子どもの保護等に携わる者の研修の充実

厚生労働省において、児童虐待問題や非行・暴力などの思春期問題に対応する第一線の専門的援助者の研修を行う「日本虐待・思春期問題情報研修センター(子どもの虹情報研修センター)」における、児童相談所、児童福祉施設、市町村職員、保健機関などの職員を対象とする各種の専門研修に対する支援を行い、これら職員の資質の向上を図っている。

(10) 民間の団体の研修に対する支援

警察・法務省・厚生労働省・国土交通省において、研修に関する講師派遣や会場の借上げなどの支援を行っている(P93(1)「民間の団体への支援の充実」参照)。

《基本計画には盛り込まれていないが、基本法・基本計画を踏まえ、実施しているもの》

(11) 脳死及び臓器移植に関する犯罪被害者等への配慮

厚生労働省において、臓器提供者(交通事故被害者を含む。)の家族(以下「ドナー家族」という。)特有の心情を把握するため、平成14年から「脳死下での臓器提供事例に係る検証会議」の下、「ドナー家族の心情把握等作業班」を計13回開催した。

同作業班においては、心情把握の方法などについて検討を行った上で、ドナー家族からのヒアリングなどを通じてその心情把握を行い、平成20年に結果を報告書として取りまとめたところであり、臓器移植コーディネート業務の改善などに活用されている。

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