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第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

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1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

トピックス 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを対象とした支援状況等調査について

性犯罪・性暴力被害者が躊躇せずに必要な相談と支援を受けられる体制の整備を図るため、被害直後からの総合的な支援を可能な限り1か所で提供することを目的とした性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(以下このトピックスにおいて「センター」という。)が各都道府県に設置されている。

内閣府では、センターにおける支援状況や課題等を把握するため、全国のセンターを対象とした初のアンケート調査を実施した1。本調査は、令和元年6月1日から8月31日までにセンターにおいて対応した全ての相談を対象としており、概要は以下のとおり。

(1)相談件数

電話相談は延べ7,606件、実人員2,755人、面談は延べ1,600件、実人員818人であった2

(2)被害者の性別―男性被害者も約1割

センターに寄せられた電話相談のうち、女性被害者は87.7%、男性被害者は10.4%であった。通常、電話相談から面談に移行する(センターを直接訪問することは基本的に想定されない)が、面談のうち、男性被害者が2.2%であったことから、男性はより面談につながりにくいことがうかがえる。

(3)年齢―10代以下が約4割

面談では、約4割を10代以下の被害者が占めており、若年層の比率が高いことが確認された。中学生以下に限っても、約2割に上った。

図表1 被害者の年齢
図表1 被害者の年齢

(4)性被害の内容―薬物・アルコール使用を含む性被害が100件超

電話相談、面談共に「強制性交等・準強制性交等」が最も多くなっており、面談では半数以上を占めた。

また、性被害の中に「薬物・アルコール使用」が含まれていた被害者の人数は、電話相談で106人、面談で75人だった。電話に限っても、単純に4倍すると、年間約400人以上の計算になる。

図表2 性被害類型
図表2 性被害類型

(5)加害者との関係―親や家族からの性被害が約2割

面談では、「親」3 からの被害が13.2%であり、「その他家族・親族」(6.1%)と合わせると約2割に上った。また、「SNS・ネットで知り合った人」は11.4%であった。「監護者からの継続的な暴力によりSNSで居場所を求め、そこでつながった人から被害に遭っている」といった意見もあった。

図表3 加害者との関係
図表3 加害者との関係

1 本調査報告書は内閣府男女共同参画局HPから閲覧可能である。
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/r02_top.html
2 以下の事情等から、設問によって回答対象相談者数が異なる場合がある。
  • 被害者とその同伴の保護者が面談に来た場合、「相談者2名」「被害者1名」とカウントされたため、相談者の実人員と被害類型の件数が同一にならない。
  • 被害者とその同伴の保護者が来所し、詳しく話を聞いたところ、同伴保護者(母親)に対するDV被害の支援も必要となったことで、相談受付時点での人数と支援する人数が同一にならない。
3 この場合、「親」には実親、養親、継親、親の交際相手を含む。

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