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第4章 支援等のための体制整備への取組

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3 民間の団体に対する援助(基本法第22条関係)

トピックス 大学生による犯罪被害者支援ボランティアの活動
~岡山県犯罪被害者支援大学生ボランティア連絡会「あした彩(いろ)」

近年、日本では災害発生時等のボランティア活動による支援の輪が広がっている中、岡山県では、県内の大学生が結集し、犯罪被害者やその御家族のためのボランティア活動を行っている。

1 あした彩の発足

犯罪被害者支援大学生ボランティア連絡会「あした彩」は、平成29年11月、岡山県内の10大学(現在は12大学・1専門学校)の学生が集まり、岡山県警察が橋渡し役となって発足した。「あした彩」は、各大学での活動を行うだけでなく、協力して犯罪被害者遺族講演会を開催するなど、大学生が結集し、意見を出し合い、様々なボランティア活動を行っている。

「あした彩」の名称は、「あたたかい心の絵の具で、闇に包まれた方の心に、明日へと続く光の道を描くお手伝いをお願いしたい。」という御遺族の言葉から生まれた。

「あした彩」の大学生は、在籍している学部も様々で、各種の特技を持った学生もおり、それぞれの専門性や特技を活かした支援活動を行っている。

「あした彩」活動の様子1
「あした彩」活動の様子2
「あした彩」活動の様子3

2 直接支援

犯罪被害者支援の取組は、日常生活を支える支援が一層求められている上、途切れのない支援を行うためにも、地域コミュニティとの連携が不可欠となっている。

「あした彩」の大学生は、地域コミュニティの代表といえる存在であり、警察や行政機関とは異なる、大学生ならではの視点から、犯罪被害者等に「笑顔を届ける」活動を行っている。

〔直接支援の事例〕

  • 犯罪被害に遭ったことで通学できなくなった被害者に対する学習支援
  • 日常生活を支える支援(野菜の収穫、入院児童の遊び相手及び小学校でのワークショップ)
  • 講演を行ってくれた御遺族への寄書き・メッセージDVDのプレゼント、講演後の音楽演奏による精神的ケア
  • 御遺族との交流(誕生会、お菓子作り等)
学習支援(イメージ図)
学習支援(イメージ図)
御遺族との交流
御遺族との交流

3 広報啓発

「あした彩」では、犯罪被害者等の置かれている状況、犯罪被害者支援の重要性等を広く県民に訴えるため、大学生が自ら企画・運営する犯罪被害者支援フォーラムを開催するなど、広報啓発にも力を入れている。

〔広報啓発の事例〕

  • 犯罪被害者支援フォーラム(遺族講演、あした彩活動報告及びグループ討議)の開催
  • 命の大切さを学ぶ教室の開催に伴うファシリテーションの実施(生徒等が自ら学び考える機会の提供)
  • 犯罪被害者支援パネルの作成・展示
  • 被害者の手引のデザイン協力
  • 犯罪被害者支援紙芝居の作成・年少者への読み聞かせ
大学生主催のフォーラム(地域住民対象)
大学生主催のフォーラム(地域住民対象)
遺族講演後のファシリテーション
遺族講演後のファシリテーション

4 反響等

大学の垣根を越えた「あした彩」の活動は、学生間のつながりを深めるとともに、サークル設立等の新たな動きに発展している。さらに、こうした大学生の熱意が大学にも認められ、社会参加活動への促進の後押しとなるなど好循環を生んでいる。

また、「あした彩」の活動を知った他県の大学生が、犯罪被害者支援の取組を開始するなど、大学生による犯罪被害者支援の輪が全国に広がりを見せている。

犯罪被害者等のためにボランティア活動を行う大学生は、犯罪被害者等との信頼関係を着実に築くなど、中長期における「支援チームの一員」として重要な役割を担っている。

同級生を亡くした児童に対する支援(花植え)
同級生を亡くした児童に対する支援(花植え)
グループ討議(自分たちにできる支援の検討)
グループ討議(自分たちにできる支援の検討)
交通死亡事故現場での黙祷
交通死亡事故現場での黙祷

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