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第4章 支援等のための体制整備への取組

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1 相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)

コラム11 犯罪被害者等施策に関する条例の制定

【大分県】

大分県では、犯罪被害者等の支援を総合的かつ計画的に推進し、犯罪被害者等が受けた被害の早期の回復・軽減及び生活の再建を図るとともに、誰もが安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的として、大分県犯罪被害者等支援条例を制定した。

同条例は、有識者会議における検討等を経て、平成29年12月に成立し、30年4月から施行された。

同条例の特長の一つとして、「二次的被害」について規定していることが挙げられる。同条例においては、「二次的被害」を「犯罪等による直接的な被害を受けた後に、周囲の無理解や心ない言動、インターネットを通じて行われる誹謗中傷、報道機関による過剰な取材等により、犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、身体の不調、私生活の平穏の侵害、経済的な損失等の被害」と定義し、県民や事業者の責務として「二次的被害が生じることのないよう十分配慮する」ことを求めるとともに、県民の理解の増進や人材の育成等において、二次的被害の防止等に係る必要な施策を講じる旨を定めている。

また、市町村等との連携・協力について規定していることも同条例の特長であり、大分県では、犯罪行為により死亡又は重傷病という被害を受けた犯罪被害者等に対して市町村が支給する見舞金について、その支給額の半額を補助する施策を実施している。

大分県では、誰もが安心して暮らすことができる社会の実現のため、同条例をいかし、市町村や関係機関・団体と一体となって、犯罪被害者等の支援に取り組んでいくこととしている。

【名古屋市】

基本法の施行以降、国による犯罪被害者等のための施策は着実に進展しており、名古屋市においても、関係機関等と連携し、一定の支援に取り組んできたが、犯罪被害者等が抱える様々な問題の全てを解決できたわけではなかった。

そこで、名古屋市では、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られる社会の実現に向けて更に一歩踏み出す必要があると考え、市としての明確な方針を定め、犯罪被害者等の視点に立った施策を講ずるため、名古屋市犯罪被害者等支援条例を制定した。

同条例は、関係機関や有識者等から成る検討懇談会における検討等を経て、30年3月に成立し、同年4月から施行された。

同条例では、基本理念として二次的被害の防止を、市の責務として犯罪被害者等の支援を行う人材の確保及び育成を、それぞれ掲げている。

また、支援金の支給等、犯罪被害者等の経済的負担を軽減するための施策について規定しており、これに基づき、犯罪行為により死亡又は重傷病等の被害(強制性交等罪及び監護者性交等罪の被害を含む。)を受けた犯罪被害者等に対する支援金や、遺族が損害賠償請求権に基づく賠償を受けられない場合の見舞金を同年度から支給することとしている。

また、日常生活支援として、家事・育児等に関する支援や犯罪被害者等の自宅へ食事を配達する配食サービスを同年7月から開始することとしている。

名古屋市では、同条例によって犯罪被害者等が真に必要とする施策を実施することで、より一層、犯罪被害者等の心に寄り添い、支え、犯罪被害者等が適切な支援を受けられるよう、取り組んでいくこととしている。

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