第4節 支援等のための体制整備への取組
2 調査研究の推進等(基本法第21条関係)
(1) 犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究
【施策番号191】
厚生労働省においては,平成17年度より厚生労働科学研究で「犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究」を3年計画で行い,19年度に精神科医療機関における犯罪被害者治療を促進するための提言をまとめ,20年度には,「犯罪被害者等支援のための地域精神保健福祉活動の手引」(http://www.ncnp.go.jp/nimh/seijin/www/Shiryo_tebikizenbun.pdf)を精神保健福祉センターに配布した。
また,平成20年度より厚生労働科学研究で「大規模災害や犯罪被害等による精神科疾患の実態把握と介入手法の開発に関する研究」を3年計画で行い,それを踏まえて,23年度からは新たに「大規模災害や犯罪被害等による精神疾患の実態把握と対応ガイドラインの作成・評価に関する研究」(主任研究者金吉晴)を3年計画で実施しており,24年度には「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン(分担研究者中島聡美(国立精神・神経医療研究センター)他,平成25年2月15日初版)」(http://www.ncnp.go.jp/nimh/seijin/www/kyusei.html)を作成した。さらに,25年度においては,産婦人科の医療現場,犯罪被害者等早期援助団体,性暴力被害者支援センター等で活用できるよう,性暴力被害者に対して心理教育や支援情報を提供するパンフレット「一人じゃないよ」を作成した。また,これらのガイドラインやパンフレットについて,犯罪被害者のメンタルヘルス情報ページ(http://www.ncnp.go.jp/nimh/seijin/www/index.html)より無料でダウンロードできるようにした。
(2) 犯罪被害者等の状況把握等のための継続的調査の実施
【施策番号192】
内閣府においては,犯罪被害者等の置かれた状況や当該状況の経過等を把握するため,身体犯一般,交通事犯,性犯罪といった被害類型別に,犯罪被害者等の置かれた状況等に関する調査を平成19年度から21年度まで3年間継続して行ったことを踏まえ,26年度には,インターネットを通じた犯罪被害類型別のアンケート調査を実施した。
(3) 交際相手からの暴力に関する調査の実施
【施策番号193】
内閣府においては,3年に1度を目途に配偶者からの被害経験など男女間における暴力による被害の実態把握に関する調査を行っている。平成26年度は,配偶者に該当しない交際相手からの暴力や異性から無理やりに性交された被害も含む暴力の被害実態を把握するための調査を実施し,27年3月に調査結果を公表した。
(4) 性犯罪被害者に関する調査の実施
【施策番号194】
上記【施策番号193】参照
(5) 法務省における「犯罪被害実態調査」の調査に関する検討
【施策番号195】
法務省においては,「国際犯罪被害実態調査」に参加する形で平成12年から4年ごとに国内調査を実施しており,4回目となる調査を24年1月に全国で実施した。関係機関において,犯罪被害者等に対する適切な支援策など被害者関係施策について幅広く検討する際の基礎資料として活用されるよう,25年3月に調査結果を取りまとめ,公表した(http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00066.html)。
(6) コーディネーターとしての役割を果たせる民間支援員の養成への支援
【施策番号196】
(7) 警察における犯罪被害者等支援に携わる職員等への研修の充実
【施策番号197】
【施策番号91】参照
(8) 犯罪等による被害を受けた児童の継続的な支援を行う警察職員の技能取得
【施策番号198】
警察においては,都道府県警察の少年サポートセンター等に勤務する被害児童の継続的な支援を行う少年補導職員等に対し,大学教授やカウンセラー等の専門家を講師としたカウンセリングの技法に関する講習(カウンセリング技術専科等)を実施している。
また,大学の研究者,精神科医,臨床心理士など部外の専門家を被害少年カウンセリングアドバイザーとして委嘱し,支援を担当する職員が専門的な助言を受けることができるようにしている。
(9) 法務省における犯罪被害者等支援に関する職員研修の充実等
【施策番号199】
ア 【施策番号94】参照
【施策番号200】
イ 【施策番号92】参照
(10) 日本司法支援センターが蓄積した情報やノウハウの提供
【施策番号201】
日本司法支援センターにおいては,平成19年1月から,同センターホームページにおいて,犯罪被害者支援を行う関係機関・団体等の情報を提供している(同ホームページhttp://www.houterasu.or.jp/トップページ中段にある「相談窓口を探す」)。また,「よくあるお問い合わせ」も併せてホームページで公開し,その利用を促している。さらに,犯罪被害者等から関係機関・団体の窓口に,その機関・団体で実施している支援以外の問合せが寄せられた場合には,その窓口から,法テラス・サポートダイヤル(コールセンター)や全国の地方事務所を紹介してもらい,コールセンター等において,犯罪被害者等の問合せの内容に応じて適切な支援窓口や犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介等を行っている。
また,弁護士会との連携・協力の下,国選被害者参加弁護士制度等の説明会や,意見交換会,犯罪被害者支援の経験を積んだ弁護士を講師とする事例検討会を実施している。
(11) 学校における相談対応能力の向上等
【施策番号202】
(12) 虐待を受けた子どもの保護等に携わる者の研修の充実
【施策番号203】
厚生労働省においては,児童虐待問題や非行・暴力等の思春期問題に対応する第一線の専門的援助者の研修を行う「日本虐待・思春期問題情報研修センター(子どもの虹情報研修センター)」において,児童相談所,児童福祉施設,市町村職員,保健機関等の職員を対象とする各種の専門研修に対する支援を行い,これら職員の資質の向上を図っている。
(13) 民間の団体の研修に対する支援
【施策番号204】
警察・法務省・厚生労働省・国土交通省においては,研修に関する講師派遣や会場の借上げ等の支援を行っている(下記【施策番号206】,【施策番号207】参照)。