第1節 関係機関・団体の総合的な連携による支援
コラム1 犯罪被害者等早期援助団体
○ 犯罪被害者等早期援助団体とは
犯罪被害者等早期援助団体とは,「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」(昭和55年法律第36号。以下「犯罪被害者支援法」という。)第23条に基づき,犯罪被害等を早期に軽減するとともに,犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう支援するための事業を適切かつ確実に行うことができると認められる非営利法人であって,都道府県公安委員会が指定します。
平成14年5月に,全国で初めて被害者支援都民センター(22年8月に公益社団法人に認定)が東京都公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体として指定されています。27年4月1日現在では,46都道府県46団体がそれぞれ,都道府県公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体として指定されています(指定団体は資料9参照)。
○ 犯罪被害者等早期援助団体の活動
犯罪被害者等早期援助団体は,
<1>犯罪被害者等に対する援助の必要性に関する広報活動及び啓発活動
<2>犯罪被害等に関する相談
<3>犯罪被害者等給付金の裁定の申請補助
<4>物品の供与又は貸与,役務の提供その他の方法による犯罪被害者等の援助
の事業を行うこととされており,各地の犯罪被害者等早期援助団体が,犯罪被害者等の支援にあたっています。
また,犯罪被害等を受けた直後の犯罪被害者等は,混乱やショック状態にあって,自ら必要性を判断して援助を要請することが困難な場合があります。そのため,犯罪被害者等早期援助団体が犯罪被害者等に対して能動的にアプローチして援助を行うことができるよう,警察本部長等は,犯罪被害者等早期援助団体の求めに応じ,犯罪被害者等早期援助団体に対し,犯罪被害者等の同意を得て,当該犯罪被害者等の氏名及び住所その他当該犯罪被害の概要に関する情報を提供することができることとされています(犯罪被害者支援法第23条第4項)。
この規定により,犯罪被害者等早期援助団体が,被害後の早い段階から警察を始めとする関係機関・団体と連携した支援を行うに当たり,支援の必要性を自ら判断することが困難な犯罪被害者等に能動的にアプローチすることを可能とし,犯罪被害者等が同団体に自らの犯罪被害を繰り返し説明することに伴う精神的負担を解消することが可能となっています。