平成20年12月15日に少年法の一部を改正する法律(平成20年法律第71号)が施行され、新たに、(1)被害者等による少年審判の傍聴、(2)被害者等に対する審判の状況の説明の各制度が導入されました。平成20年12月15日から平成21年12月31日までの約1年間の各制度の運用の概況は次のとおりです。
1 被害者等による少年審判の傍聴
家庭裁判所は、少年が故意の犯罪行為や交通事故などにより、被害者を死亡させたり、被害者の生命に重大な危険を生じさせた事件(例えば、殺人、傷害致死、傷害、自動車運転過失致死傷など)について、被害者等から審判の傍聴の申出があり、少年の年齢及び心身の状態等を考慮して、相当と認めた場合には、傍聴を許すことができることとされました。
資料1のとおり、平成20年12月15日から平成21年12月31日までの審判の傍聴の対象となった事件は223件であり、そのうち101件について申出がされ、87件について審判の傍聴が認められています。
審判の傍聴の申出がされた罪名としては、傷害致死、自動車運転過失致死などが多く、その内訳は資料1の円グラフのとおりです。また、審判の傍聴が認められた87件における少年の犯行時年齢は、19歳が23人と最も多く、続いて、18歳が20人、17歳が14人、16歳が11人、14歳が11人、15歳が4人、13歳が4人となっています。
審判の傍聴が認められた87件のうち、申出人から傍聴付添いの申出がされたのは29件であり、いずれも傍聴付添いが認められています。
なお、審判の傍聴が認められなかった22人については、審判が開始されず事件が終局したことによるもの、申出資格がない者からの申出によるものなどです。
2 被害者等に対する審判の状況の説明
家庭裁判所は、被害者等から申出があり相当と認めた場合には、審判の状況を説明することとされました。
資料2のとおり、平成20年12月15日から平成21年12月31日までの審判の状況の説明の申出人数は433人であり、そのうち424人について申出が認められてます。
なお、申出が認められなかった9人については、審判が開始されず事件が終局したことによるもの、申出資格がない者からの申出によるものです。