第4章 支援等のための体制整備への取組
1 相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)
手記 途切れない支援に向けた連携について
大分県生活環境部県民生活・男女共同参画課
麻生 慎治
麻生 慎治
大分県では、平成28年に「大分県犯罪被害者等支援推進指針」を策定して以来、犯罪被害者等がどこに住んでいても、いつでも必要な支援を途切れることなく受けられるよう、また、誰もが安心して暮らすことができる社会の実現に向け、意識啓発や環境整備等の各種施策を積極的に実施してきました。
平成30年4月から「大分県犯罪被害者等支援条例」が施行され、条例に則って犯罪被害者等に対する経済的支援や二次的被害の防止等に取り組んできました。また、ほぼ同時期に県内の全市町村においても特化条例が施行されており、県内全域で犯罪被害者等に対する支援体制が整ってきました。全市町村で同一の見舞金制度を導入することで、犯罪被害に遭われた方等が県内のどこにお住まいでも、経済的支援が受けられ、また、市町村をはじめとした関係機関が連携することで、県内一体となって犯罪被害者等に必要な支援が提供できる体制を整えてきました。
さらに、条例制定を機に、県、県警察本部、市町村、民間支援団体等の各支援関係機関が連携し、相互に協力して犯罪被害者等の支援を推進することを目的に、各機関の実務担当者で構成される「大分県犯罪被害者等支援関係機関ネットワーク会議(以下「ネットワーク会議」という。)」を県が設置し、私の課が事務局として毎年4回の会議を開催しています。また、関係機関との連携強化と市町村への助言による相談体制の強化を目的に犯罪被害者等支援コーディネーター(大分被害者支援センター相談員。以下本トピックスにおいて「コーディネーター」という。)を同時期に配置しました。ネットワーク会議では、各支援関係機関が実施する支援内容や課題等を共有するとともに、コーディネーターと相談し、窓口対応の実務演習を行うなど、相談対応の経験が少なくても全市町村で同じような対応ができるよう窓口の機能強化に取り組んでいます。準備は大変ですが、会議を通じて関係機関の連携が深まっていると実感しています。
そういった中、令和6年4月に示された国の有識者検討会の検討結果では「地方における途切れない支援の提供体制の構築」が提言され、多機関ワンストップサービスの体制確立が求められることとなりました。
当県では、これまでも、コーディネーターを中心として、関係機関の連携を図り、犯罪被害者等への支援を提供してきましたが、多機関ワンストップサービス体制をより明確化する必要性を感じ、令和6年7月から、県警察本部や民間支援団体等と協議を重ね、また、警察庁の方からもアドバイスをいただきながら準備を進めてきました。
まず、重視したのは、いかにして犯罪被害者等の負担を少なくできるかという点です。被害に遭われた方にとっては、被害状況を何度も説明することが二次的被害につながってしまうこともあるため、県内で活動する早期援助団体の対応例を参考に、市町村等の相談受理機関では必要最低限の情報のみ聞き取ることとしました。その後、コーディネーターが面談等を行い、置かれた状況や求める支援など犯罪被害者等のニーズをより詳細に把握した上で、後に述べます支援調整会議の説明を行う体制とすることで、犯罪被害者等の負担を軽減するようにしました。
次に、関係機関でいかに途切れることなく、円滑に支援を提供できるかについて検討しました。当県では、既にコーディネーターを中心とした関係機関の連携体制が構築されていましたが、相談を受理してから個別事案に対する支援を検討する仕組みが明文化されていませんでした。そこで、既存のネットワーク会議の連携体制を生かし、ネットワーク会議の中に個別支援の検討を行う「支援調整会議」を置くことで、これまで培ってきた経験を生かした迅速かつ円滑な連携を取れるようにしました。
最後に、犯罪被害者等支援においては、関係機関との連携だけでなく、県民や事業者等の理解を深めて、二次的被害を防止しながら、社会全体で犯罪被害者等を支え合うことも大切です。そのため、リーフレットの作成、大型ビジョンを活用した動画放映、街頭活動等の啓発活動も頑張っています。
令和7年度から支援調整会議も始まりますが、今後も、犯罪被害に遭われた方等が県内のどこにお住まいでも、途切れることなくニーズに応じた寄り添った支援を提供できるように、県の担当者として頑張っていきます。
大分県消費生活・男女共同参画プラザ「アイネス」