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第4章 支援等のための体制整備への取組

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1 相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)

手記 「支援調整会議の役割について ~途切れない支援を目指して私たちにできること~」

京都府精華町社会福祉課 
主査 料治佳子
精華町では平成25年に犯罪被害者等支援条例が制定されました。これに基づき、庁内でのワンストップ支援を目的とした精華町犯罪被害者等支援条例施行に関する要綱が定められ、庁内各部・課の支援内容の概要や犯罪被害者等支援連絡調整会議(以下「庁内会議」という。)について示されました。私の所属する社会福祉課は、庁内関係課や関係機関と連絡調整役を担う犯罪被害者支援の総合的対応窓口担当となっています。条例及び要綱が制定されて以降、庁内会議の開催はしばらくなかったのですが、令和5年度に初めて開催するケースが発生しました。
それは、私が精華町に入職して3か月目の出来事で、先述の条例を初めて確認するような状況の中、戸惑う気持ちがあったことを覚えています。事案を知ったきっかけは、京都府からの精華町の住民(Aさん)の被害に関する京都府犯罪被害者等支援調整会議(以下「京都府会議」という。)開催の連絡でした。連絡を受け、条例や要綱に基づき、各課の役割を確認し、関係課の先輩職員の助言等を受けながら調整を始めました。関係課に相談すると、既にある課がAさんと関わる中で、事案を把握し、関係課及び関係機関と対応に当たっていたことが分かりました。当課からと、元々関わっていた課の双方からの働き掛けとなったため、庁内の連絡調整や情報共有は比較的早く進みました。
当初は庁内で共通した支援の方向性が定まっていなかったため、京都府会議の前に庁内会議を開き、その後の支援の検討を行い、京都府会議には、当課だけではなく、包括的な支援を行うために必要となる関係課も同席することとしました。
また、京都府会議後の2回目の庁内会議では、Aさんが被害をきっかけに精華町から転出する予定であったため、生活環境の変化に伴い、今後必要となる支援関係課の担当者にも更に協力を求めました。この庁内会議での協議、調整を経て、転出後も支援が途切れないよう、精華町の各担当から転出先の自治体の担当課へ申し送りを行いました。また、この庁内会議にはAさんも出席され、各担当からAさんに直接、制度や手続きに関する助言等、より具体的に説明できたことで、転出・転入に伴う不安を軽減するためのサポートができたと考えています。
京都府会議では、京都府警、弁護士会をはじめ、各専門分野の方々も同席されていたため、現状の課題やどの機関でどのような支援が受けられるのか等、精華町の関係課だけでは分からないことを理解することができました。実情を踏まえた具体的な支援の方向性や関係機関の役割分担について確認できる場があったことは何より有意義でした。私たちが提供できる情報や支援は当初「点」でしたが、京都府会議により関係課、関係機関の点がつながり、線になり、支援の見通しが立ったことで、Aさんを中心とした支援の輪ができたと思います。関係機関同士が顔合わせをし、必要な時に連携できる関係を築く場があることは非常に重要であると実感しました。
前例がなく、かつ、早急な対応が求められる支援を事前にシミュレーションし、体制を整えておくことは容易ではないですが、備えは予期せぬ出来事に対応する時の一助になると感じています。実際、条例や要綱があったことで、対応の指針となりました。
また、こうしたケース対応は特別なことに思いがちですが、実は日々の業務の延長線にあることも実感しました。一番身近な窓口として、住民の皆さんが安心して相談できることが、やはりとても大切だと思います。そのために私たちが取り組むことのできるもう一つの備えは、何かあった時に一つの課で対応するのではなく、相談し合える日頃からの職員同士・関係機関との関係作りだと私は考えています。
今後も相談に来られた方に寄り添いながら、関係者がつながり、途切れない支援ができるよう、日々、丁寧に業務に取り組んでいきたいと思います。
精華町庁舎
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精華町広報キャラクター
「京町セイカ」
精華町広報キャラクター「京町セイカ」

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