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第2部 第4次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策の進捗状況
第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

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1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

トピックス こども家庭庁における犯罪被害者等支援について

こども家庭庁

こども基本法、こども家庭庁設置法等の成立を受けて、令和5年4月にこども家庭庁が創設された。従来厚生労働省が担っていた以下の施策はこども家庭庁に移管されており(一部移管を含む。)、こども家庭庁において引き続き施策を推進している。

施策番号 具体的施策 取組の内容
1 損害回復・経済的支援等への取組
25
(90)
被害直後及び中期的な居住場所の確保 こどもの安全確保等が必要な場合であれば、保護者やこどもの同意がなくとも一時保護をちゅうちょなく行うべき旨を「一時保護ガイドラインの全部改正について」(令和6年3月30日付けこども家庭庁支援局長通知)等に明記し、こどもの安全が迅速に確保され、その適切な保護が図られるよう周知している。
26
(91)
虐待を受けたこどもと非行児童との混合処遇等を改善するため、次世代育成支援対策施設整備交付金等を活用し、児童相談所の一時保護施設における個別対応のための環境改善を推進している。また、福祉行政報告例等により、児童相談所の一時保護施設における一時保護日数や一時保護件数等を把握している。
2 精神的・身体的被害の回復・防止への取組
48 被害少年等のための治療等の専門家の養成、体制整備及び施設の増強に資する施策の実施 平成23年度に心理療法担当職員及び個別対応職員の児童養護施設等への配置を義務化した。また、児童相談所においては、児童福祉司、相談員、精神科若しくは小児科を専門とする医師及び保健師、児童心理司、心理療法担当職員、弁護士等を配置するとともに、こどもへの相談援助活動を行うに当たって専門的・医学的な判断や治療を必要とする場合には、医療機関の受診に関する支援を行うこととしている。
49 里親制度の充実 虐待を受けたなどの事情により代替養育を必要とするこどもについて、家庭養育優先原則に基づき、里親やファミリーホームへの委託の推進を図っている。
50 児童虐待への夜間・休日対応の充実等 児童相談所が夜間・休日を問わずいつでも相談に応じられる体制を整備するための予算補助を行っており、全ての児童相談所において、24時間・365日対応可能な体制が確保されている。
51 都道府県が地域の医療機関を協力医療機関として指定し、個々のケースに応じた心身の治療の必要性等について児童相談所が医学的見地から専門的・技術的な助言を受ける取組に対し、予算補助を行っている。
52 被害少年等の保護に関する学校及び児童相談所等の連携の充実 要保護児童対策地域協議会においては、市区町村(こども家庭センター)、児童相談所、学校・教育委員会、警察等の関係機関が、要保護児童やその保護者等に関する情報共有や支援内容の協議を行うこととしており、その結果を踏まえ、関係機関が適切な連携を図り対応している。
57
(177)
性犯罪被害者等に対する緊急避妊に関する情報提供 性犯罪被害者その他の緊急避妊を必要とする者が、緊急避妊薬の使用目的や使用方法等を含め、緊急避妊の方法等に関する情報を得られるよう、性と健康の相談センター等を通じて情報提供を行っている。
81 再被害の防止に向けた関係機関の連携の強化 児童相談所において、触法少年・ぐ犯少年の通告、棄児・迷子・虐待を受けたこども等の要保護児童の通告等について、警察との連携を図っている。また、児童虐待事案については、「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」(平成30年7月20日児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議決定)に基づき、児童相談所と警察との間で共有する情報を明確化した。
92 児童虐待の防止及び早期発見・早期対応のための体制整備等 児童相談所においては、配偶者暴力相談支援センター等と連携をさらに強化し、児童心理司等によるこどもに対する精神的ケア等の支援を行っている。また、令和4年6月に成立した児童福祉法等の一部を改正する法律により改正された児童福祉法及び母子保健法により、市町村に整備する「こども家庭センター」や訪問による家事支援を行う事業等が創設された。
97 緊急総合対策に基づき、こどもの安全確認ができない場合における立入調査の実施等、全てのこどもを守るためのルールの徹底等に取り組んでいる。令和5年度以降の児童相談所の体制については、「新たな児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(令和4年12月15日児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定)を策定し、令和6年度末までに児童福祉司を約6,850人体制とすること等を目標とした。さらに、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」について、音声ガイダンスの短縮、携帯電話等からの着信を対象としたコールセンター方式の導入及び通話料の無料化を実施した。
99 児童虐待防止のための児童の死亡事例等の検証の実施 児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会においては、平成16年から、児童虐待による死亡事例等について分析・検証し、当該事例等から明らかになった問題や課題への具体的な対応策を、提言として毎年取りまとめている。
121 被害児童からの事情聴取における配慮 検察庁、警察、児童相談所等においては、被害児童の負担軽減及び被害児童の供述の信用性の確保の観点から連携を強化している。
4 支援等のための体制整備への取組
227
(261)
被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する相談体制の充実及び理解の促進 【施策番号97】及び【施策番号268】を参照
232 児童虐待防止対策に関する調査研究の実施 児童虐待防止対策に関する必要な調査研究を実施しており、令和5年度は、「意見表明等支援事業における評価及び検証についての調査研究」等を実施した。
238 虐待を受けた子供の保護等に携わる者の研修の充実 児童福祉司、児童心理司、市区町村の職員等に対する研修の充実等を図っている。特に、虐待を受けたこどもの保護等に携わる職員等に対する研修については、児童相談所の児童福祉司や市区町村の要保護児童対策地域協議会の調整機関に配置される専門職の研修受講が義務化されている。
240 民間の団体の研修に対する支援 犯罪被害者等の援助を行う民間の団体から、同団体が実施するボランティア等の養成や研修への講師の派遣等を依頼された場合には、協力を行うこととしている。
242 民間の団体に対する支援の充実 児童虐待事案の防止について、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体が実施している広報啓発活動等に対する支援を行っている。また、こどもの入所措置等を解除する際に、保護者への指導・カウンセリングやこどもの定期的な安全確認等を特定非営利活動法人等に委託できるようにするなど、民間の団体の連携を推進している。
5 国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組
268 犯罪被害者等施策の関係する特定の期間における広報啓発活動の実施 毎年11月に「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」を実施し、児童虐待に対する社会的関心の喚起を図っている。

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