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第5章 国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組

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1 国民の理解の増進(基本法第20条関係)

トピックス 犯罪被害者週間

第4次基本計画においては、「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」が重点課題の一つとして掲げられ、「様々な機会や媒体を通じ、教育活動、広報啓発活動等を継続的に行うなどして、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等に関する国民の理解・共感を深め、犯罪被害者等への配慮・尊重と犯罪被害者等のための施策への国民の協力を確保するための取組を推進しなければならない。」とされている。

このため、警察庁では、関係府省庁の協力を得て、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」として設定し、これに合わせて、広報啓発活動を集中的に実施することとしている。

令和4年度は、犯罪被害者週間に合わせた広報啓発事業として、元競泳選手の萩野公介氏を起用したメッセージ動画をSNS等で配信するとともに、11月30日に中央イベント(東京都)を、11月29日に地方公共団体との共催による地方大会(川崎市)を、それぞれ開催した。各イベントはオンラインでライブ配信を行い、中央イベントについては、ダイジェスト版動画を作成し、YouTube警察庁公式チャンネルにおいて期間限定で配信した。

犯罪被害者週間ポスター
犯罪被害者週間ポスター

【中央イベント】

中央イベントでは、「犯罪被害者等支援に関する標語」の最優秀賞受賞者及び「『大切な命を守る』全国中学・高校生作文コンクール」の優秀作品賞受賞者の表彰式、基調講演、パネルディスカッション等を行った。

基調講演では、犯罪被害者遺族の栗原一二三氏、栗原穂瑞氏による「ある日突然、最愛の母を奪われて~残された兄妹の想い~」と題した講演が行われ、母親を亡くした際の心情、裁判に当事者として参加した経験、二次的被害、自助グループでの活動等について語られ、犯罪被害者等支援の気運が高まっていくことや、被害者も加害者も出さない世の中になることへの願いが訴えられた。

パネルディスカッションでは、「潜在化しやすい犯罪被害への支援~こども達の心の声に耳を傾ける~」をテーマに、コーディネーターとして藤森和美氏(武蔵野大学人間科学部人間科学科教授)、パネリストとして栗原一二三氏、栗原穂瑞氏(基調講演者)、小木曽健氏(グリー株式会社政策企画グループシニアマネージャ、国際大学GLOCOM客員研究員)及び安永智美氏(福岡県警察少年課課長補佐、警察庁指定広域技能指導官)を迎え、被害が潜在化して見えにくい犯罪被害者等への支援の中でも、特に、こどもの被害とその支援について事例を交えながら議論が行われた。

表彰式(犯罪被害者等支援に関する標語)
表彰式(犯罪被害者等支援に関する標語)
表彰式(「大切な命を守る」全国中学・高校生作文コンクール)
表彰式(「大切な命を守る」全国中学・高校生作文コンクール)
パネルディスカッション
パネルディスカッション

【川崎大会】

川崎大会は、川崎市との共催で開催し、基調講演及びパネルディスカッション等を行った。

基調講演では、犯罪被害者遺族の渡邉治重氏による「これからの被害者支援~私たちが望むこと~」と題した講演が行われ、大学生の長男を交通事故で亡くし、犯罪被害者遺族となった経験をもとに、犯罪被害者等の心情や求められる支援、自らが代表を務める被害者支援自助グループ「ピア・神奈川」の活動等について語られた。

パネルディスカッションでは、「地域で被害者支援を行うために」をテーマに、コーディネーターとして服部知之氏(神奈川県弁護士会犯罪被害者支援委員会副委員長)、パネリストとして渡邉治重氏(基調講演者)、永野弘幸氏(認定特定非営利活動法人神奈川被害者支援センタ-所長)及び上野進氏(川崎市地域安全推進課長)を迎え、犯罪被害者等に寄り添うことの大切さや地域で犯罪被害者等支援への理解を深めるための方策等について議論が行われた。

基調講演
基調講演
パネルディスカッション
パネルディスカッション
【萩野公介氏のメッセージ動画】
萩野公介氏のメッセージ動画

犯罪は、ある日、突然、大切なものを一瞬にして奪い去ってしまいます。

被害にあうと、犯罪そのものにより被害を受けるだけではなく、その後も、長い間、様々なことで苦しめられます。

あなたの身近に、被害にあわれた方がいたら、優しい気持ちで手を差し伸べてください。

被害者の方々の思いに寄り添い、社会全体で支えていきましょう。

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