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第4章 支援等のための体制整備への取組

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1 相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)

手記 犯罪被害者等に寄り添った支援に向けて

四街道市役所 自治振興課
主事 米ノ井 時生

四街道市役所 自治振興課 主事 米ノ井 時生

私は、令和2年度に四街道市役所に入庁し、総務部自治振興課交通防犯係に配属され、市内の犯罪被害者等支援や交通安全・防犯対策を担当しております。犯罪被害者等支援については、実は入庁するまでは考えたこともなかったのですが、犯罪被害者等支援条例の制定にも携わり、試行錯誤しながら準備を進めました。

● 四街道市における犯罪被害者等支援の取組

犯罪被害者等支援に関する取組の一環として、四街道市では、令和4年6月8日に四街道警察署、四街道交通安全協会、四街道市防犯協会共催で「ひまわりの絆プロジェクト ~命の大切さ 交通事故防止を全国に~」を開催しました。

ひまわりの絆プロジェクトとは、京都府内で発生した交通事故で亡くなった男児(当時4歳)が生きていた証を残したいと願う御遺族への支援とともに、国民に対して命の大切さを訴えることを目的に、男児が生前育てていたひまわりから採取した種を全国各地で開花させていくプロジェクトです。当日は、近隣小学校の1年生に参加していただき、ひまわりの苗を植栽しました。小さかった苗も、7月末には満開になり、プロジェクトを通して、交通安全を願う機運が高まったと考えております。

● 四街道市犯罪被害者等支援条例の制定

四街道市がある千葉県においては、近年の凶悪犯罪の頻発による二次的被害の防止等、犯罪被害者等支援の重要性の高まりを受け、令和3年4月1日に「千葉県犯罪被害者等支援条例」が施行されました。

四街道市においても、犯罪被害者等が直面している困難な状況を踏まえ、「地域社会全体で犯罪被害者等に寄り添い、十分に配慮した対応」や「関係機関が連携したきめ細やかな犯罪被害者等支援」をこれまで以上に推進していくためには条例制定が必要との結論に至りました。

条例制定に向け、警察をはじめとした防犯関係団体、有識者、弁護士、市民の方々を委員とする四街道市安全で安心なまちづくり協議会を開催しました。

協議会の中で「申請などの手続について、被害に遭った日のことを思い出させないようにするため、警察と連携し、被害受理番号で申請が可能になる仕組みづくりを考えてほしい」、「被害者の方の中には犯罪に遭い、傷害を負ったり、精神的ダメージにより休職等に追い込まれ収入が減少するという経済的な問題を抱える方もいる」、「犯行現場が自宅であったにもかかわらず、転居できず、苦しい思いをしている被害者の方も多くいるので、転居費用助成について再検討してほしい」との意見がありました。

様々な見地からの意見を踏まえ、安全で安心なまちづくり協議会長より答申をいただき、条例案をより犯罪被害者等に寄り添った内容にすることができたと考えております。

また、令和5年2月20日には、四街道警察署及び千葉犯罪被害者支援センターと四街道市による「犯罪被害者等支援の連携協力に関する協定」を締結しました。本協定を締結することにより、三者が連携を密にすることができるようになり、犯罪被害者等にできる限り負担をかけずに支援をすることが可能となりました。

このような過程を経て、「四街道市犯罪被害者等支援条例」は令和5年4月1日に施行されました。

● 犯罪被害者等支援に当たる担当者として思うこと

「四街道市犯罪被害者等支援条例」における犯罪被害者等支援施策は始まったばかりです。今後、被害者の方に地方自治体職員の私にできることは何だろうか。それは条例に基づいた支援の体制を整えておくことや各関係団体との連携を密にし、支援を適正に行うことは当然でありますが、なによりも、被害者の方が1日も早く立ち直り、再び平穏な生活が送れるように被害者の方の話を親身になって伺い、丁寧な対応をすることが重要だと私は考えます。

最後になりますが、本条例の制定に深く携わってくださった関係者各位のご尽力に感謝いたします。

四街道市役所
四街道市役所
満開のひまわり
満開のひまわり

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