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第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

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2 安全の確保(基本法第15条関係)

・ 児童虐待の防止及び早期発見・早期対応のための体制整備等

【施策番号93】

警察においては、児童虐待の早期発見等に資する教育訓練を徹底し、児童虐待担当者の専門的知識・技能の向上に努めるとともに、都道府県警察本部に「児童虐待対策官」を設置し、児童相談所等の関係機関との連携や児童虐待の疑いがある事案等を認知した際の初動対応、被害児童の心理を踏まえた事情聴取等の児童虐待に係る専門的対応に関する指導教養等に従事させるなど、児童虐待への対応力の一層の強化を図っている。

【【施策番号96】

文部科学省においては、地域における児童虐待事案の未然防止等に資する取組として、子育てに関する悩みや不安を抱えながら、自ら学びの場や相談の場等にアクセスすることが困難な家庭等に配慮しつつ、地域の多様な人材を活用した家庭教育支援チーム等による保護者に対する学習機会や情報の提供、相談対応等、地域の実情に応じた家庭教育支援の取組を推進している。

また、地域において児童虐待事案に早期に対応できるよう、地域における家庭教育支援関係者や放課後子供教室等の地域学校協働活動関係者等が児童虐待事案への対応に当たって留意すべき事項をまとめた「児童虐待への対応のポイント~見守り・気づき・つなぐために~」(令和元年8月作成、令和3年3月一部改訂)を活用するよう周知している。

さらに、同年11月の児童虐待防止推進月間に先立ち、児童虐待の根絶に向けた文部科学大臣のメッセージを、子供の育ちに関わる全国の学校・地域の関係者や保護者に加え、全国の子供たちに対しても発信した。

家庭教育支援チームによる家庭訪問の様子
家庭教育支援チームによる家庭訪問の様子

【【施策番号97】

厚生労働省においては、「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」(平成30年7月20日児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議決定。以下「緊急総合対策」という。)に基づき、子供の安全確認ができない場合における立入調査の実施等、全ての子供を守るためのルールの徹底等に取り組んでいる。また、緊急総合対策を受けて決定された「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(平成30年12月18日児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定)に基づき、令和4年度末までに、児童相談所の児童福祉司を平成29年度(約3,240人)から2,020人程度増員するとともに、子ども家庭総合支援拠点を全ての市区町村に設置することとしている。なお、児童福祉司等の増員については、同プランの計画を1年前倒しし、約5,260人の確保を目指すこととしていたところ、児童虐待に関する相談対応件数が引き続き増加している状況等を踏まえ、令和4年1月20日、増員の目標を5,765人とすることとし、この目標を達成する見込みである。5年度以降の児童相談所の体制については、「児童虐待防止対策の更なる推進について」(令和4年9月2日児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議決定)に基づき、児童相談所や市区町村の体制強化を計画的に進めていくため、児童虐待防止対策体制総合強化プランに代わる次期プランを4年中に策定することとしている。

さらに、虐待を受けたと思われる子供を発見した際等にためらわず児童相談所に通告・相談できるよう、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」を運用している。これまで、児童相談所に電話がつながるまでの時間を短縮するため、平成28年4月に音声ガイダンスの短縮を行うとともに、30年2月には携帯電話等からの着信についてコールセンター方式を導入するなどの運用改善を進めてきたところ、令和元年12月から、従来の「児童相談所全国共通ダイヤル」の名称を「児童相談所虐待対応ダイヤル」に変更するとともに、新たに「児童相談所相談専用ダイヤル」を開設した。その上で、「児童相談所虐待対応ダイヤル」及び「児童相談所相談専用ダイヤル」の通話料の無料化を順次行い、利便性の向上を図った。

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