警察庁 National Police Agency

犯罪被害者等施策  >  犯罪被害者白書  >  令和4年版 犯罪被害者白書(概要)  >  1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

目次]  [戻る]  [次へ

1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

・ 自動車事故による重度後遺障害者に対する医療の充実等

【施策番号45】

国土交通省においては、平成13年度以降、自動車事故による重度後遺障害のために在宅介護を受けている者の入院を積極的に受け入れる病院を短期入院協力病院として指定しており、令和3年度には4病院を新たに指定し、全国で合計206病院となった。また、平成25年度以降、障害者支援施設等を短期入所協力施設として指定しており、令和3年度には2施設を新たに指定し、全国で合計138施設となった。

独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA〔ナスバ〕:https://www.nasva.go.jp/)においては、全国11か所(療護センター4か所、療護施設機能一部委託病床6か所、一貫症例研究型委託病床1か所)の療護施設において、自動車事故による遷延性意識障害者に対する高度な治療及び手厚い看護を実施するとともに、訪問支援の実施、被害者やその家族との交流会の開催、各種被害者団体との意見交換会への参加等を通じて、被害者やその家族の実情、要望等の把握に努めている。

NASVAの被害者支援に関するポスター
NASVAの被害者支援に関するポスター

・ 被害少年等に対する学校における教育相談体制の充実等

【施策番号53】

文部科学省においては、犯罪被害者等を含む児童生徒の相談等に適切に対応できるよう、学校における教育相談体制の充実に取り組んでいる。具体的には、児童生徒の心理に関して専門的な知識・経験を有するスクールカウンセラーの学校等への配置及び緊急支援のための派遣に対し、予算補助を行っている。令和元年度までに、全ての公立小・中学校(約2万7,500校)にスクールカウンセラーを配置することを目標とし、同年度予算では、当該配置に要する経費を措置した。また、福祉の専門的な知識・技能を用いて児童生徒を支援するスクールソーシャルワーカーの教育機関等への配置に対しても、予算補助を行っている。同年度までに、全ての中学校区(約1万中学校区)にスクールソーシャルワーカーを配置することを目標とし、同年度予算では、当該配置に要する経費を措置した。これらの経費については、3年度も引き続き措置しており、配置時間の充実も図っている。

スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの活動概要
スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの活動概要

・ 警察における性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実

【施策番号56】

警察においては、令和4年4月現在、46都道府県警察で計177人(うち公認心理師又は臨床心理士の資格を有する職員132人)の部内カウンセラーを配置するとともに、全ての都道府県警察においてカウンセリング費用の公費負担制度を運用している。

警察におけるカウンセリングの様子(模擬)
警察におけるカウンセリングの様子(模擬)

・ ワンストップ支援センターの体制強化

【施策番号59】

内閣府においては、ワンストップ支援センターについて、性犯罪・性暴力被害者支援のための交付金により、24時間365日対応化、拠点となる病院の整備促進、コーディネーターの配置・常勤化等の地域連携体制の確立、専門性を高めるなどの人材の育成や運営体制の確保、支援員の適切な処遇等、運営の安定化及び質の向上を図っている。また、ホームページや毎年11月に実施している「女性に対する暴力をなくす運動」により、全国共通短縮番号「#8891(はやくワンストップ)」を周知している。さらに、令和3年10月、性暴力被害者のための夜間休日コールセンターを設置し、性犯罪・性暴力の夜間の相談や緊急対応のため、これまで夜間休日には対応していないワンストップ支援センターの運営時間外に、被害者からの相談を受け付け、ワンストップ支援センターと連携して、支援を実施している。

目次]  [戻る]  [次へ

警察庁 National Police Agency〒100-8974 東京都千代田区霞が関2丁目1番2号
電話番号 03-3581-0141(代表)