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第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

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1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

トピックス 自動車損害賠償保障法の改正 ~今後の自動車事故被害者救済対策の在り方~

1 経緯

交通事故の発生件数、死者数及び負傷者数はいずれも減少傾向にある一方、重度後遺障害者数は毎年1,700人程度とほぼ横ばいの状況となっており、自動車事故被害者救済対策に継続して取り組むことが重要である。

このため、国土交通省では、自動車事故による重度後遺障害者を対象とした介護料の支給、療護施設の設置・運営、病院や障害者支援施設等への支援、交通遺児を対象とした支援等、多岐にわたる施策に取り組んできたところである。しかし、昨今の医療・介護技術の進歩、社会保障制度の変化、介護者の高齢化等、自動車事故被害者救済対策を取り巻く情勢は変化してきている。

こうした状況を踏まえ、令和2年8月から有識者や被害者・遺族団体等を委員とした「今後の自動車事故被害者救済対策のあり方に関する検討会」を開催し、検討会での議論を経て、3年7月、報告書が取りまとめられた。

報告書では、今後、国土交通省が自動車事故被害者救済対策として取り組むべき施策を4つの柱ごとに取りまとめた。

今後の自動車事故被害者救済対策のあり方に関する検討会 報告書(概要)
今後の自動車事故被害者救済対策のあり方に関する検討会 報告書(概要)

本報告書においては、今後の自動車事故被害者救済対策の更なる充実の方向性が示されるとともに、自動車事故対策勘定によって自動車事故被害者救済対策を実施するという現行スキームの確立以降の状況変化を踏まえ、自動車事故被害者救済対策を将来にわたって安定的かつ継続的に実施するための方策に関する検討を進めることが適当であるとされた。

そこで、国土交通省では、3年8月より、事故被害者や遺族団体、自動車ユーザー団体、学識経験者で構成される「今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会」を開催し、計6回の議論を重ねて4年1月に中間とりまとめを公表した。この中で、有限の積立金を基に、「当分の間」の暫定的な位置付けで行われていた被害者支援や事故防止事業につき、「安定的な財源を確保し、持続可能な仕組みへの転換を図るための措置を講じることが適当」とされた。

今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会 中間とりまとめ(概要)
今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会 中間とりまとめ(概要)

2 法改正の概要

中間とりまとめを踏まえ、令和4年6月に自動車損害賠償保障法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律が成立した(5年4月施行予定)。国土交通省は、今般の改正により、自賠責保険料と合わせて納付される「自動車事故対策事業賦課金」を財源に、事故被害者支援等を「被害者保護増進等事業」として恒久化するとともに、支援の更なる充実を図ることとしている。

法改正の概要

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