5.国民の理解の増進と配慮・協力の確保に向けて

(2)今後の国民一般への啓発の推進に当たって

 今回の調査の結果を踏まえて、国民一般の犯罪被害者等への理解をより一層深めるために、以下の点に留意することが求められる。

  • 国民一般は、犯罪被害者等を遠い存在として認識し、距離をおいているが、犯罪被害者等の心情や置かれている状況については深刻に受け止めている。国民の理解をより一層高めるためには、具体的な対応が必要である。
  • 国民一般の重要な情報源となっているテレビ・新聞などの報道は、国民の、犯罪や犯罪被害者等についての考え方に影響を及ぼしていることを認識する必要がある。
  • 国民一般の犯罪被害者等への理解をより一層高めるためには、総体としての「犯罪被害者等」ではなく、1人ひとりの「犯罪被害者等」と対面できる機会を可能な限り多くもち、皆違った経験をしていることを受け止めることが必要である。
  • 国民一般の犯罪被害者等に対する認識の仕方は性・年齢別に異なるので、犯罪被害者等を理解する場の設定においては、ある程度層を絞って、その層に適した環境を作る必要がある。
  • 犯罪被害者等理解や支援が、裁判員制度に対する理解と同様に、国民全てにとっての責務であるとの認識にたった啓発活動が求められる。