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インタビュー
山上皓さん | 大久保恵美子さん | 阿久津照美さん
「支援団体はどんなことをするのですか?」
社団法人 被害者支援都民センター 犯罪被害相談員 阿久津 照美さん
1989年に警察官となった阿久津さんは、96年から被害者対策係で犯罪被害者支援について学び、実務を担当した。その後転職、警察官時代の経験を生かして、現在は被害者支援都民センターの相談員として活躍している。
誰かが犯罪の被害者になったとして、支援はどのようにスタートするのですか?
直接、電話相談にご連絡いただく場合もありますが、都民センターは犯罪被害者等早期援助団体ですので、警察から、支援を必要としている被害者についての情報を連絡いただけるようになっています。
具体的にはどんなことをするのでしょう?
事件直後の被害者や遺族は混乱状態で、何をどうしたらよいかわからないという状況ですので、私たちがお話を伺って、この方には何が必要か、どういうところに支援を求めればよいかなど、その後の支援プログラムを組んでいきます。
刑事手続の場合は、今後起こってくることについて説明したり、裁判や検察庁に付き添ったりして、手続のなかで感じる負担感をなるべく軽くするよう配慮しています。
被害者や遺族が、少しでも事件前の生活を取り戻せるよう、生活を支えるような支援を心がけています。
支援するにあたってはどんなことを大切にしていますか?
被害者の気持ちや意思を大事にすること、主体性を尊重することが大切だと思います。支援者がリードして引っ張っていくというよりは、「~がありますが、どうしましょうか」「どれを選びますか」というかたちで選択肢を提示していろいろな説明をし、被害者本人に決めていただくようにしています。
どれくらいの間、支援するのですか?
事件直後から1年くらいは、刑事手続をはじめ、法的・経済的その他生活を立て直すために、ほんとうに様々な支援が必要です。それが落ち着いてくると、いままで気を張ってがんばっていたことが原因で喪失感が強まり、気持ちの上で落ち込みが見られたりします。ですから、精神面での支援は長期にわたるものが必要になります。
自助グループには、7年、10年たった方も参加されています。毎回来なくても、そこにいつでも安心して話せる場所がある、必要な時に相談できる場所がある、ということも大切であると思っています。 |