栃木大会:主催者挨拶

警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) 山田 知裕

 ただいま御紹介いただきました、警察庁で犯罪被害者等施策を担当しております、審議官の山田でございます。

本日は、御多用中にもかかわらず、多くの方に御参加いただき、また、基調講演やパネルディスカッションを行っていただく有識者の方々におかれましても御列席をいただき、誠にありがとうございます。

 「犯罪被害者週間」栃木大会の開会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

 政府では、「犯罪被害者等基本法」や「犯罪被害者等基本計画」に基づき、犯罪の被害に遭われた方やその御家族の方々の権利、利益が守られる社会の実現のために、各種の施策を推進しているところでございます。
ここ栃木県におかれましても、県、各市町、警察、被害者支援センターとちぎ等が相互に連携し、犯罪被害者等施策を推進しておられるものと承知しています。
皆様の支援活動に対し、心から敬意を表したいと思います。
このような犯罪被害者等に関する施策が効果的に実施され、被害者の方などが一日も早く平穏な生活を送れるようになるためには、国や地方公共団体による施策の推進もさることながら、周囲の方々の御理解・御配慮、そしてそれに基づく御協力が必要不可欠です。
そのような観点から、政府では、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」とし、この期間を中心として、被害者の方などが置かれている状況について、国民の皆様に理解を深めていただくことを目的に、このようなシンポジウムなどを各地で開催しております。
本日は、「地域における被害者支援の充実を目指して」というテーマで、安田貴彦様から御講演をいただきます。その後に「被害者支援の気運をもりあげるために」をテーマに、有識者の皆様から、御意見を頂きたいと考えております。
犯罪被害者やその御家族の方々の支援については、社会全体での関心を高めていく必要があります。犯罪被害は決して人ごとではありません。
被害者の方などの置かれている状況を御自身の問題としてお考えいただき、本日のお話を一人でも多くの方に伝えて、犯罪の被害にあわれた方などの状況に対する理解を広げていただきたいと思います。
最後になりますが、この大会が、多くの方々の御協力により開催できますことに心より感謝申し上げ、また、犯罪の被害にあわれた方やその御家族の方々を地域全体で支えていく取組に繋がっていくことを祈念し、私の挨拶とさせていただきます。

栃木県知事 福田 富一

 皆様、こんにちは。御指名をいただきました福田でございます。犯罪被害者週間栃木大会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。本日は多くの皆様方に御来席を賜りまして、心から御礼を申し上げます。例年、犯罪被害者県民の集いとして開催されておりましたが、本年は警察庁、栃木県、栃木県警察、被害者支援センターとちぎの共催によりまして、犯罪被害者週間栃木大会として開催することとしたものでございます。

 犯罪被害者週間は毎年11月25日から12月1日までと決められておりまして、この期間に全国で様々な犯罪被害者支援に関する広報・啓発が行われております。その一環として今年は栃木県と富山県で大会が開催されることとなりました。警察庁にはこのような機会を設けていただきましたこと、心から感謝を申し上げます。

 また、本日はこれまでの犯罪被害者支援への貢献や、大切な命を守る作文コンクールにおいて、優秀な成績を収められた方々の表彰式も行われますが、表彰を受けられます方々には改めてお祝いを申し上げます。

 さて申し上げるまでもなく、犯罪被害者の方々やその御家族は生命や身体への直接的な被害のみならず、生活の不安や精神的な苦痛に襲われるなど、様々な問題に直面しております。こうした方々が一日も早く心身の健康を取り戻し、再び平穏な生活を営むことができるようになるためには、必要な支援を途切れることなく提供していくことが重要でございます。県といたしましても、第二次犯罪被害者等支援計画に基づきまして、被害者支援センターとちぎをはじめ、県警察や市町、関係機関団体と一体となって犯罪被害者等の支援のため、研修会の開催や巡回パネル展示等、各種取組を推進し、社会全体で犯罪被害者等を支える気運の醸成に努めてまいりますので、皆様方のより一層のお力添えをお願い申し上げます。

 結びに、本日の栃木大会を契機としまして、犯罪被害者の方々への理解と支援の輪が更に広がることを期待いたしますと共に、御列席の皆様方の御健勝を心より御祈念申し上げまして、お祝いの言葉といたします。おめでとうございます。

栃木県警察本部長 原田 義久

 ただいま御紹介いただきました警察本部長の原田でございます。よろしくお願いいたします。「犯罪被害者週間栃木大会」の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 まず、本日は御多用中にもかかわらず、これだけ多くの方々にお越しをいただきました。誠にありがとうございます。御参加の皆様には、日頃から被害者支援をはじめとする警察業務の様々な面で、深い御理解と御協力をいただいております。心より感謝を申し上げます。また、「大切な命を守る作文コンクール」県内の部において優秀作品に選ばれ、本日、表彰を受けられます野口さんと溝江さん、後ほど表彰させていただきますが、誠におめでとうございます。

 「犯罪被害者週間地方大会」は、平成18年度から開催され、これまで全国31の道府県で開催されました。今年度、この地方大会が栃木県で開催されますことは、被害者支援の取組や関係機関・団体の相互の連携を一層深めていく上で、誠に意義深いものであると感じているところでございます。

 さて、本県におきましては、刑法犯の認知件数や交通事故の発生件数は減少傾向にありますが、県民の世論調査を見ましても、子供や女性が被害に遭う事件に不安を感じる方が多くいらっしゃいます。また、飲酒運転による交通死亡事故も根絶には至っておりません。全国を見てみましても、本年は、36人もの尊い命が犠牲になりました京都アニメーションの放火殺人事件、神奈川県川崎市においては小学校の児童ら20人が殺傷された通り魔事件、大津市の歩道上で信号待ちをしていた保育園児らの集団に車が突っ込んで16人が死傷した交通事故などが発生しております。

 こうした理不尽な犯罪によって、突然に被害者や御遺族となられた方々の中には、一生癒えない心身の傷を抱えながら生活をされている方も多くいらっしゃいます。このため警察では、犯罪被害者の方々と最初に接する機関として、日頃から被害者の立場に立った各種の支援活動に組織を挙げて取り組んでおります。

 一方、被害者や御遺族の方が必要とする支援の内容は、生活上の支援をはじめ、医療や裁判に関することなど、多岐にわたっております。このため、私ども警察では、犯罪被害者等早期援助団体である「被害者支援センターとちぎ」をはじめ、「とちぎ性暴力被害者サポートセンター」、医師会、弁護士会、行政機関などの関係機関・団体と相互に連絡をとり、連携しながら、切れ目のないきめ細やかな支援の輪を広げることに努めております。

 今後とも被害者の心に寄り添い、関係機関との連携を強化しつつ、様々な支援活動に取り組んでまいりますが、こうした取組には皆様方の御理解、御協力が欠かせません。本日の大会を契機に、御参加をいただきました皆様から、被害者や御遺族への支援の輪が更に広がりますことを切に願う次第であります。

 結びになりますが、本日の大会が実りあるものとなりますよう期待いたしますとともに、皆様方の今後益々の御健勝と更なる御活躍を御祈念いたしまして、挨拶とさせていただきます。

 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

公益社団法人被害者支援センターとちぎ理事長 水沼 富美男

 皆さん、こんにちは。被害者支援センターとちぎの理事長を務めております水沼でございます。本日は犯罪被害者週間栃木大会にこのように大勢の皆様方に御参加をいただき、まことにありがとうございます。また、皆様方には日ごろより被害者支援の活動に深い御理解と御支援、御協力を頂戴しておりますことにこの場をお借りいたしまして改めて感謝と御礼を申し上げます。

 当センターでは、これまで毎年、犯罪被害者週間に合わせて「犯罪被害者支援の集い」を開催し、犯罪被害者支援の必要性、重要性を県民の皆様と共に考え、支援の輪を広げてまいりましたが、今年は警察庁、県、県警との共催による栃木大会として開催させていただきました。令和初めての犯罪被害者週間の大会がこの栃木県で開催されますことは、当センターはもとより県内で犯罪被害者支援活動に携わる者にとっては大変光栄であり、今後の活動の励みとなることでございます。

 被害者支援センターとちぎは設立直後に県公安委員会から早期援助団体の指定を受け、県警と共に犯罪被害者に対しまして早い段階での支援活動に取り組んでまいりました。被害者の相談事業に関わる相談補助員の活発な活動や命のメッセージ展等の事業を通しまして、県民の間に被害者支援の理解が徐々に広がってきているところでございます。また、当センターには多くの個人、企業、団体等から寄付金や寄付金付の自動販売機の設置を通した財政的支援が寄せられ、活動の大きな支えとなっております。しかし、犯罪被害者等基本法が掲げる理念や施策を実現するためには、支援に取り組む民間団体として運営資金の確保、認知不足等、まだまだ課題が山積しているのも実情でございます。被害者支援に対する県民理解の増進や犯罪被害者の尊厳が守られ、いつでも、どこでも、より適切な配慮や支援がなされる社会づくりには、官民が更に連携した支援体制の確立が望まれているところでございます。

 現在、全国的に都道府県、市町等の地方公共団体に犯罪被害者を支援する条例の制定を求める声が高まっております。既に制定した自治体や制定を検討している自治体が少しずつ増えてきております。栃木県においてもぜひ早期に県条例を制定していただき、更には県内全市町において条例が制定され、真に犯罪被害者に寄り添った犯罪被害者支援の地域社会づくりが期待されているところでございます。当センターといたしましては、今後も県や県警等、関係機関団体と連携を深め、助け合い、支え合いの精神のもと、被害者支援活動の更なる充実に取り組んでまいる所存でございます。皆様方には、引き続きの御支援、御協力をお願い申し上げまして、挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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