中央イベント:閉会挨拶

警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) 山岸 直人

 警察庁で犯罪被害者等施策担当審議官をしております山岸と申します。本日はお忙しい中、「犯罪被害者週間」中央イベントに御来場いただきまして本当にありがとうございました。

 本日は、土師守様から「途切れない支援の重要性~亡くなった子供・遺された子供への想い~」と題して御講演をいただきました。続いてのパネルディスカッションでは「犯罪被害に遭った子供の兄弟姉妹に対する支援を考える」をテーマとして様々なお立場から御議論をいただきました。御参加いただきました皆様にありましては、どのような感想をお持ちになられたでしょうか。

 基調講演とパネルディスカッションのいずれにおきましても時間に限りのある中で、大変実りのあるお話をいただくことができました。犯罪被害に遭った子供だけでなくて、その兄弟姉妹もまた心身に様々な影響、本当に大きな影響を受けることがあります。しかし、周囲の大人が各種いろいろな対応に追われる中で、子供たちが声を上げるということは簡単なことではありません。本日は、それらの声なき声を拾い上げて適切なサポートをするための施策の在り方について考える大きな示唆をいただいたものと感じております。御登壇をいただきました皆様には改めて感謝を申し上げます。

 さて、犯罪被害者等基本法の成立から14年が経過し、我が国の犯罪被害者等に関する施策は第1次、第2次の基本計画のもとで着実に進展してきたものと、僣越ではありますけれども考えております。そして、一昨年4月1日、犯罪被害者等基本計画の作成及び推進に関する事務がそれまでの内閣府から国家公安委員会、警察庁に移管され、同日、第3次犯罪被害者等基本計画が閣議決定されました。現在、この第3次基本計画に基づきまして、関係府省庁が連携をして、更なる推進に努めているところであります。引き続き、政府の進めます施策へ御理解・御協力を賜りたいというふうに考えております。

 また、犯罪被害に遭われた方々の被害からの回復につきましては、私ども政府あるいは地方公共団体の取組だけでは到底成し得ることができません。地域社会の皆様でありますとか、犯罪被害者の周りにいらっしゃる皆様が犯罪被害に遭われた方々に寄り添おう、支えようというお気持ちをこれまで以上に持っていただくことが何よりも重要であるというふうに考えております。今年度の標語にありますとおり、一人ひとりが少しの勇気を出して、被害者の方に寄り添い、支え合う気持ちを持っていただくことで助け合いの絆をいっそう広げていただければ幸いと感じているところであります。

 本日の「犯罪被害者週間」中央イベントを契機としまして皆様に社会全体で犯罪被害に遭われた方々を支える機運を高めていく、また必要な制度等の在り方につきましても前向きに考えていく、その一端を担っていただけますよう、心からお願い申し上げまして、閉会の挨拶とさせていただきます。本日は本当にどうもありがとうございました。

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