第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

6 国民の健康を害する事犯への対策

(1)保健衛生事犯(注)対策

保健衛生事犯の検挙状況の推移は、図表2-51のとおりである。

警察では、厚生労働大臣の承認を受けていない医薬品を広告・販売するなどの医薬品医療機器等法違反、無資格で美容施術を行う美容師法違反等の国民の健康被害に直結する保健衛生事犯の取締りを行っている。

注:薬事関係事犯(医薬品医療機器等法違反、薬剤師法違反等)、医事関係事犯(医師法違反、歯科医師法違反等)及び公衆衛生関係事犯(食品衛生法違反、狂犬病予防法違反等)

 
図表2-51 保健衛生事犯の検挙状況の推移(令和元年~令和5年)
図表2-51 保健衛生事犯の検挙状況の推移(令和元年~令和5年)
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CASE

栄養補助食品の販売事業等を営む会社の社員の男(57)らは、令和4年3月から同年6月にかけて、同社ウェブサイトに厚生労働大臣の承認を受けていない医薬品の効能等に関する広告をするなどした。令和5年6月、同男ら1法人4人を医薬品医療機器等法違反(無承認医薬品の広告の禁止等)で検挙した(千葉)。

(2)食の安全に係る事犯(注)対策

食の安全に係る事犯の検挙状況の推移は、図表2-52のとおりである。

警察では、食の安全に係る事犯の取締りを推進するとともに、関係機関との連携の強化に努めている。

注:食品衛生関係事犯(食品衛生法違反等)及び食品の産地等偽装表示事犯(不正競争防止法違反等)

 
図表2-52 食の安全に係る事犯の検挙状況の推移(平成26年~令和5年)
図表2-52 食の安全に係る事犯の検挙状況の推移(平成26年~令和5年)
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CASE

水産物販売会社役員の男(44)らは、不正の目的をもって、令和2年7月頃、外国産アサリを販売するに当たり、納品書等の品名欄に「熊本県産アサリ」と記載して原産地について誤認させるような表示をし、販売譲渡するとともに、売却代金として取得した収益を同男らが管理する法人名義の口座に振込入金させた。令和5年4月までに、同男ら4法人7人を不正競争防止法違反(誤認惹起行為)及び組織的犯罪処罰法(犯罪収益等隠匿)で検挙した(熊本、佐賀)。



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