第4節 災害等への対処と警備実施
1 自然災害等への対処
(1)自然災害の発生状況と警察活動
① 自然災害の発生状況(注)
令和4年(2022年)中は、地震、大雨、台風等により、死者・行方不明者102人、負傷者2,666人等の被害が発生した。平成30年(2018年)から令和4年にかけての自然災害による主な被害状況は、図表6-9のとおりである。
注:数値は、いずれも令和5年4月末現在のもの。

② 福島県沖を震源とする地震(注)
令和4年3月16日午後11時36分、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生し、宮城県登米市・蔵王町及び福島県相馬市・南相馬市・国見町で震度6強を観測した。この地震により死者3人等の被害が発生した。宮城県警察及び福島県警察をはじめとする関係都県警察では、被災状況についての情報収集等の活動を実施した。
注:数値は、いずれも令和4年12月6日現在のもの。
③ 令和4年8月3日からの大雨等(注)
令和4年8月3日から同月5日にかけて、前線の影響により、東北地方と北陸地方を中心に記録的な大雨となり、同月6日以降も北日本から西日本までの広い範囲で大雨となった。これらの大雨等により死者2人等の被害が発生した。管轄区域内で被害が発生した関係都道府県警察では、被災状況についての情報収集、被災者の救出救助、行方不明者の捜索等の活動を実施した。
注:数値は、いずれも令和4年9月30日現在のもの。

被災者の救出救助(石川)
④ 台風第14号(注)
令和4年9月17日から同月20日にかけて、台風第14号の影響により、九州を中心とする西日本で記録的な大雨や暴風となった。この台風により、死者5人等の被害が発生した。管轄区域内で被害が発生した関係都道府県警察では、被災状況についての情報収集、被災者の救出救助、行方不明者の捜索等の活動を実施した。
注:数値は、いずれも令和4年11月14日現在のもの。

行方不明者捜索活動(広島)
⑤ 台風第15号(注)
令和4年9月23日に近畿地方や東海地方に接近した台風第15号の影響により、東日本の太平洋側を中心に大雨となり、静岡県や愛知県では記録的な大雨となった。この大雨により、死者3人等の被害が発生した。静岡県警察をはじめとする関係県警察では、被災状況についての情報収集、被災者の救出救助、行方不明者の捜索等の活動を実施した。
注:数値は、いずれも令和4年10月17日現在のもの。
(2)大規模災害への備え
① 災害対処能力の強化
警察では、災害対処能力の向上を図るため、初動対処や救出救助訓練、都道府県警察間での合同訓練等を実施しているほか、様々な装備資機材の整備を進めている。
また、警察用航空機と無人航空機の連携運用のための技術について研究機関等と協力して研究開発を行うなど、的確な災害対処等に資する無人航空機の運用能力の更なる向上に向けた取組を推進している。
② 今後の災害対策の見直し
警察では、今後発生が懸念される南海トラフ地震及び首都直下地震はもとより、その他のいかなる大規模災害にも的確に対処することができるよう、従前の取組内容を不断に見直し、平素の業務における災害に関する危機管理体制の点検及び構築を持続的に推進するとともに、災害警備に資する先端技術を積極的に取り入れ、災害対処能力の一層の向上を目指していくこととしている。