6 国民の健康を害する事犯への対策
(1)保健衛生事犯(注)対策
保健衛生事犯の検挙状況の推移は、図表2-51のとおりである。
警察では、厚生労働大臣の承認を受けていない医薬品を広告・販売するなどの医薬品医療機器等法違反、無資格で美容施術を行う美容師法違反等の国民の健康被害に直結する保健衛生事犯の取締りを行っている。
注:薬事関係事犯(医薬品医療機器等法違反、薬剤師法違反等)、医事関係事犯(医師法違反、歯科医師法違反等)及び公衆衛生関係事犯(食品衛生法違反、狂犬病予防法違反等)

CASE
特定非営利活動法人役員の男(62)は、業として行う臓器のあっせんに関する臓器の別ごとの厚生労働大臣の許可を受けないで、令和3年1月頃から令和4年7月頃にかけて、同法人ウェブサイトにおいて臓器移植希望患者を募集し、希望患者らに対し、死体から摘出される臓器の渡航移植を勧め、同法人名義の口座に現金を振り込ませるなどして、移植手術のあっせん依頼を受けるとともに、同人らに対して海外の病院を臓器移植実施施設として紹介するなどして、同病院で臓器の移植手術を受けさせた。令和5年3月までに、同男ら1法人2人を臓器移植法違反(無許可の臓器あっせん業)で検挙した(警視庁)。
(2)食の安全に係る事犯(注)対策
食の安全に係る事犯の検挙状況の推移は、図表2-52のとおりである。
警察では、食の安全に係る事犯の取締りを推進するとともに、関係機関との連携の強化に努めている。
注:食品衛生関係事犯(食品衛生法違反等)及び食品の産地等偽装表示事犯(不正競争防止法違反等)

CASE
水産物等の加工及び販売等を行う会社の代表取締役の男(80)らは、令和3年11月、外国産のわかめが原材料として使用されているのに、「原材料名 わかめ(鳴門産)」等と原材料の原産地を誤認させる表示をした湯通し塩蔵わかめを卸売業者に販売した。令和4年3月までに、同男ら1法人10人を不正競争防止法違反(誤認惹起行為)等で検挙した(静岡)。