特集 技術革新による社会の変容と警察の新たなる展開

4 先端技術等の活用による警察活動の高度化・合理化の推進に向けて

(1)警察庁長官官房技術組織の新設

科学技術が急速に発展し、社会に大きな変革をもたらしている中で、警察としては、科学技術の利活用を通じた警察活動の高度化・効率化を図るとともに、科学技術が悪用されることによる新たな脅威へ的確に対応するため、最新の技術的知見に基づいて政策を企画立案していくことが不可欠となっている。

また、政府を挙げて社会のデジタル化に向けた取組が進む中で、国民生活と密接に関わる機能や役割を担う警察の業務にあっても、警察庁及び都道府県警察が一元的な方針に基づきデジタル化をより一層推進していくことが求められている。

こうした状況を踏まえ、警察庁の所管行政に関する総合調整権限を有する長官官房に技術的な知見やリソースを集約し、一元的に技術政策を推進する体制を構築するため、警察法等を改正し、令和4年4月、長官官房に技術総括審議官、技術企画課、通信基盤課及び参事官(情報化担当)を設置した。

今回の体制整備は、警察における技術政策を総合的に推進する司令塔機能を強化するものであり、警察活動への先端技術等の導入や我が国の重要課題である行政のデジタル化等を強力に推進することとしている。

 
図表特-18 長官官房技術組織の体制
図表特-18 長官官房技術組織の体制

(2)警察の責務を果たし続けるための取組の推進

科学技術は、古くから、犯罪捜査、交通管理、災害警備等の警察活動に不可欠なものとして、国民の安全・安心の確保に極めて重要な役割を果たしてきた。そして、近年、警察事象の複雑化に適切に対処し、国民の期待に応えていくため、警察では、先端技術等を積極的に導入し、これを活用することによって、警察活動の高度化・合理化を図っている。警察の活用すべき科学技術はあらゆる分野にわたっており、なお、充実・向上を図るべき課題は多い。今後も、警察は、最新の技術的知見に基づいて政策を企画立案し、国民の安全・安心を確保することとしている。

 
図表特-19 警察の責務を果たし続けるための取組の推進
図表特-19 警察の責務を果たし続けるための取組の推進


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