第4章 組織犯罪対策

2 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況

マネー・ローンダリング事犯の検挙件数は、図表4-23のとおりであり、令和3年中は632件(前年比32件(5.3%)増加)であった。前提犯罪(注)別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが243件、窃盗に係るものが217件、電子計算機使用詐欺に係るものが42件、ヤミ金融事犯に係るものが25件となっている。

令和3年中におけるマネー・ローンダリング事犯の検挙件数のうち、暴力団構成員等が関与したものは64件と、全体の10.1%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが19件、窃盗に係るものが10件、風営適正化法違反に係るものが8件、ヤミ金融事犯に係るものが6件と、暴力団構成員等が多様な犯罪に関与し、マネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

また、令和3年中における来日外国人が関与したマネー・ローンダリング事犯は91件と、全体の14.4%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが37件、窃盗に係るものが28件、入管法違反に係るものが13件と、日本国内に開設された他人名義の口座を利用したり、偽名で盗品等を売却したりするなど、様々な手口を使ってマネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。

注:不法な収益を生み出す犯罪であって、その収益がマネー・ローンダリングの対象となるもの。

 
図表4-23 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況の推移(平成24年~令和3年)
図表4-23 マネー・ローンダリング事犯の検挙状況の推移(平成24年~令和3年)
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CASE

会社員の男(37)らは、令和2年9月から令和3年3月にかけて、宝くじの高額当選を確実にさせるための運勢鑑定費用等の名目で現金をだまし取るに当たり、複数の被害者に、同男らが管理する架空名義の預金口座に現金合計約1億2,000万円を振り込ませて隠匿した。同年10月、同男らを組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)で逮捕した(島根)。



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