特集4 クロスボウの規制に向けた警察の取組

2 クロスボウの概要等

(1)クロスボウの概要

クロスボウは、弦を引いた状態で固定する装置を有し、弦を固定してから矢を装塡し、銃のように引き金を引くことにより矢を発射させるものである。

現在、我が国において、クロスボウは、射撃競技をはじめとするスポーツとしての標的射撃や動物麻酔等の用途で使用されている。

 
クロスボウの一例(コンパウンドクロスボウ)
クロスボウの一例(コンパウンドクロスボウ)
 
クロスボウの一例(競技用クロスボウ)
クロスボウの一例(競技用クロスボウ)
 
クロスボウの一例(ピストルクロスボウ)
クロスボウの一例(ピストルクロスボウ)
 
クロスボウの射撃競技の状況
クロスボウの射撃競技の状況
(2)クロスボウの威力に関する実験

科学警察研究所においてクロスボウの威力に関する実験として、図表特4-3のとおり、物品に対する射撃実験(注1)を行ったところ、約5メートル離れた地点から矢を発射して、合成樹脂製ヘルメット及びアルミ製フライパンを貫通するほどの威力を有することが確認された。また、人体への殺傷能力を測るために一般的に行われる、ゼラチンに対する侵徹量(注2)についての実験(注3)を行ったところ、図表特4-4のとおり、銃刀法の規制対象である空気銃や拳銃に匹敵する威力を有することが判明した。

注1:実験においては、リカーブクロスボウ(弦を引く重さ:175ポンド(約79キログラム)、矢の初速245フィート毎秒(約269キロメートル毎時)、アルミ製の矢(53.5センチメートル))を使用

注2:弾丸等が物体に侵入する長さ

注3:実験においては、競技用拳銃、競技用エアライフル、リカーブクロスボウ及びピストルクロスボウを使用(発射された弾丸・矢の運動エネルギー等は図表特4-4参照)

 
図表特4-3 物品に対する射撃実験
図表特4-3 物品に対する射撃実験
 
図表特4-4 ゼラチンに対する侵徹量に関する実験
図表特4-4 ゼラチンに対する侵徹量に関する実験


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