第6章 警察活動の支え

第2節 国民の期待と信頼に応えるための警察運営

1 国民の期待と信頼に応える警察

(1)積極的かつ合理的な組織運営

警察では、人口減少や高齢化の進展、科学技術の発展に伴って変化していく日本社会の情勢や治安上の課題に適応し、警察機能を最大限に発揮できる、高い規律と士気を有する組織を確立するため、各種取組を推進している。

例えば、先端技術等の活用による警察活動の質的向上に取り組んでいるほか、IT技術等の積極的活用、不適正な取扱いを契機とした業務の仕組みの見直し、情報管理システムの合理化・高度化等の業務の効率化に向けた取組を積極的に進めるとともに、第一線で活動する職員を支えるため、職務執行に関する相談・照会に応じる体制の整備、装備品の機能向上等を進めている。

また、超過勤務の縮減や休暇取得の促進、男性職員の育児休業の取得や育児休業からの円滑な職場復帰に向けた支援といった仕事と子育て・介護の両立支援等のワークライフバランス等の向上にも努めている。

(2)監察の実施と苦情を活用した業務改革の推進

①監察

警察庁及び都道府県警察では、その能率的な運営及び規律の保持に資するために、国家公安委員会が定める監察に関する規則に基づき、厳正な監察を実施している。

令和2年(2020年)度中、警察庁においては、都道府県警察等に対して監察を実施し、適正捜査及び組織的な捜査管理の推進状況について指導するなど業務改善を図った。

②苦情を活用した業務改革の推進

都道府県警察では、職員の職務執行に対する苦情に誠実に対応するとともに、個々の苦情やその傾向を踏まえて業務改善を図るなど、苦情を活用した組織的な業務改革を推進している。

 
図表6-17 監察に関する規則(平成12年国家公安委員会規則第2号)
図表6-17 監察に関する規則(平成12年国家公安委員会規則第2号)

(3)適正な予算執行の確保

警察では、適正な予算執行を確保するため、次のような取組を行っている。

①警察が行う会計監査

国家公安委員会が定める会計の監査に関する規則に基づき、警察庁長官、警視総監、道府県警察本部長及び方面本部長は、監査手法に改善・工夫を加えながら、一層適正な会計経理を推進するため、会計監査を実施している。

令和2年度中、警察庁においては、警察庁内部部局、附属機関、地方機関及び都道府県警察のうち、74部署を対象に会計書類の点検を行うとともに、捜査費の執行に直接携わった捜査員720人を含む1,493人に対して聞き取りを実施するなどした。

②会計業務の改善に係る取組

警察庁では、会計業務の改善に関する各種取組を全庁を挙げて推進するため、関係職員から構成される「警察庁会計業務改善委員会」及び外部有識者から構成される「警察庁会計業務検討会議」を開催して、行政事業レビュー、調達改善の取組等を通じ、会計業務の改善に努めている。



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