2 警備実施
(1)警衛・警護警備
① 警衛警備
警察では、皇室と国民との親和に配意した警衛警備を実施し、御身辺の安全確保と歓送迎者の雑踏等による事故防止を図っている。
令和2年中は、立皇嗣の礼関係行事等に伴う警衛警備を実施した。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、全国植樹祭、国民体育大会、全国豊かな海づくり大会、国民文化祭等の様々な行事が延期又は中止となった。国内での主な行幸啓は図表5-11、主なお成りは図表5-12のとおりである。海外への皇族方の御訪問は1回であった。

国立障害者リハビリテーションセンター等創立40周年
記念式典等に伴う警衛警備(1月、埼玉)

立皇嗣の礼関係行事等に伴う警衛警備(11月、東京)
図表5-11 主な行幸啓(令和2年)

図表5-12 主なお成り(令和2年)

② 警護警備
警察では、テロ等違法事案の発生が懸念される厳しい警護情勢の下、的確な警護警備に向けた取組を推進し、要人の身辺の安全を確保している。
令和2年中の首相の海外訪問は図表5-13のとおりである。

安倍首相(当時)派遣情報収集活動
水上部隊出国行事等出席に伴う警護警備
(2月、神奈川)(共同通信社)

菅首相海外訪問に伴う警護警備
(10月、インドネシア)(首相官邸)
図表5-13 首相の海外訪問(令和2年)

(2)機動隊の活動
都道府県警察には、集団警備力によって有事即応体制を保持する常設部隊として機動隊が設置されているほか、管区機動隊、第二機動隊等が設置されている。
また、専門的な知見・能力が求められる様々な事案に対応できるよう専門部隊が設置されており、その能力を生かし、各種活動に従事している。

機動隊の訓練
図表5-14 機動隊の概要

図表5-15 機動隊の活動

(3)雑踏警備
祭礼等の行事に際して多数の人が集まることにより事故が発生するおそれがある場合には、雑踏事故の未然防止を図るため、警察ではあらかじめ行事の主催者や施設の管理者に対して必要な安全対策をとるよう要請しているほか、警察部隊の投入が必要と判断される場合には、所要の体制を確立し雑踏警備を行っている。
図表5-16 雑踏警備の流れ


節分会の際の成田山新勝寺における雑踏警備の状況(2月、千葉)