第5章 公安の維持と災害対策

警察活動の最前線

コロナ禍での「立皇嗣の礼警衛警備」


警視庁警備部第一機動隊

飯島 ゆめの(いいじま ゆめの)

 
ピーポくん

令和2年11月8日、全国民から注目を浴びた立皇嗣の礼関係行事等に伴う警備は、依然猛威を振るっていた新型コロナウイルス感染症により、ソーシャルディスタンス等の感染防止対策を徹底した警備が求められました。

ソーシャルディスタンスを念頭に置いた新たな形式では、沿道に集まった人々の距離・間隔が延びてしまうことから、従来以上に警戒範囲も広がり、大きな緊張感を強いられることになりました。この日のために訓練を重ね、入念な実地踏査を行っていようとも、いざ本番になると全く景色が違い、全国民から注目を集めるため、失敗は絶対に許されません。そんなプレッシャーの大波に飲み込まれそうな私が打ち勝つ方法は、あらゆる事態を想定したイメージトレーニングを行うことでした。イメージトレーニングを反すうすることで、自然と落ち着きを取り戻し、持てる最大限の力を発揮できた喜びはひとしおであり、とても感慨深いものとなりました。

コロナ禍ということで、困難を極めた警備でしたが、都民・国民の皆様の御協力で成し遂げられたことに深く感謝いたします。今後も都民・国民の負託に応えるべく邁進していきたいと思います。

 
警視庁警備部第一機動隊 飯島 ゆめの

小型無人機による行方不明者捜索活動を通して


九州管区警察局情報通信部機動通信課小型無人機運用係

栗野 純(くりの じゅん)

 
警察庁ワッペン

私は、昨年の令和2年7月豪雨災害発生時、機動警察通信隊員として熊本県人吉市等に出動し、現場で小型無人機を活用して、行方不明者の捜索や被災状況及び警察の活動状況の映像を警察庁や熊本県警察本部へ伝送する任務に就きました。

日頃から小型無人機の飛行訓練を行っていましたが、本災害が小型無人機を運用する初めての事案であり、災害現場特有の張り詰めた空気の中での運用であったため、非常に緊張したことを今でも覚えています。また、日頃訓練を行っている広いグラウンドとは違い、土砂が流れ込んだ集落や崩壊した道路付近等、離発着地点の確保に苦労し、災害現場での活動の厳しさを改めて実感しました。しかし、日頃の訓練の成果もあり、2日間で計5回83分間の飛行を行い、小型無人機の機動性を活用して捜索部隊が容易に立ち入れない河川や広範囲にわたる現場を効率的に撮影することができ、無事に任務を完遂することができました。

自然災害はいつ発生するか分かりませんが、あらゆる状況下において小型無人機を運用できるよう災害を想定した飛行訓練を重ね、小型無人機のような新しい技術を取り入れながら、警察活動に貢献できるよう、常に努力していきたいと思います。

 
九州管区警察局情報通信部機動通信課小型無人機運用係 栗野 純


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