第5章 公安の維持と災害対策

第4節 災害等への対処と警備実施

1 自然災害等への対処

(1)自然災害の発生状況(注)

令和2年(2020年)中は、地震、大雨、台風等により、死者・行方不明者128人、負傷者1,033人等の被害が発生した。平成28年(2016年)から令和2年にかけての自然災害による主な被害状況は、図表5-9のとおりである。

注:数値は、いずれも令和3年4月末現在のもの

 
図表5-9 自然災害による主な被害状況の推移(平成28~令和2年)
図表5-9 自然災害による主な被害状況の推移(平成28~令和2年)
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(2)令和2年7月豪雨(注)

令和2年7月3日から同月31日にかけて、前線の影響により、九州から東北地方にかけての各地で大雨となり、河川の氾濫、浸水害、土砂災害等が発生した。

特に、河川の氾濫により住家に取り残されるなどして、九州を中心に死者84人、行方不明者2人等の被害が発生した。

警察では、1管区24都府県警察から広域緊急援助隊等の警察災害派遣隊延べ約2,900人及び17都府県警察から警察用航空機延べ119機を熊本県警察等に派遣し、被災状況についての情報収集、被災者の避難誘導及び救出救助、行方不明者の捜索、交通対策、情報通信対策、被災地における各種犯罪への対策等の活動を実施した。

注:数値は、いずれも令和2年9月29日現在のもの

 
ボートによる救出救助活動(熊本)
ボートによる救出救助活動(熊本)

(3)台風第10号(注)

令和2年9月4日から同月7日にかけて、台風第10号の影響により、南西諸島や九州を中心とした各地で暴風を伴った大雨となった。この大雨等により、土砂災害等が発生したほか、断水、停電等のライフラインへの被害が発生した。

特に、土砂崩れに巻き込まれるなどして死者3人、行方不明者3人等の被害が発生した。

警察では、10都府県警察から広域緊急援助隊等の警察災害派遣隊延べ約1,400人及び4県警察から警察用航空機延べ15機を鹿児島県警察等に派遣し、被災状況についての情報収集、行方不明者の捜索等の活動を実施した。また、新たに警察庁ウェブサイトに開設した「災害情報投稿サイト」を活用し、被害情報の収集に当たった。

注:数値は、いずれも令和2年10月22日現在のもの

 
行方不明者の捜索活動(宮崎)
行方不明者の捜索活動(宮崎)

MEMO 過去の災害対応における教訓を生かした効果的な災害警備活動

警察では、平成30年7月豪雨、平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震等での災害対応における教訓を踏まえ、装備資機材の整備や訓練を通じた災害対処能力の向上及び効果的な情報収集を推進し、令和2年中においては、より一層効果的な災害警備活動を行った。

 
図表5-10 過去の災害対応における教訓を生かした警察の取組
図表5-10 過去の災害対応における教訓を生かした警察の取組


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