第3章 組織犯罪対策

2 来日外国人犯罪の検挙状況

(1)全般的傾向

来日外国人犯罪の検挙状況の推移は、図表3-15のとおりである。検挙件数及び検挙人員については、ともに近年はほぼ横ばいで推移してきたが、特別法犯の検挙件数・検挙人員の増加を受け、微増傾向にある。

令和2年について、刑法犯の検挙状況をみると、検挙件数・検挙人員ともに前年より増加した。検挙件数が増加した主な要因としては、中国人、韓国人等による窃盗犯が増加したことが挙げられ、検挙人員が増加した主な要因としては、ベトナム人による窃盗犯等が増加したことが挙げられる。また、特別法犯の検挙状況をみると、検挙件数・検挙人員ともに増加し、その主な要因としては、ベトナム人による入管法違反が増加したことが挙げられる。

 
図表3-15 来日外国人犯罪検挙状況の推移(平成23年(2011年)~令和2年)
図表3-15 来日外国人犯罪検挙状況の推移(平成23年(2011年)~令和2年)
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(2)国籍・地域別検挙状況

令和2年中の来日外国人犯罪の検挙状況を国籍・地域別にみると、図表3-16のとおりである。検挙件数・検挙人員ともに、ベトナム及び中国の2か国で全体の約6割を占めている(注)。また、刑法犯検挙件数(罪種別)をみると、侵入窃盗では中国及び韓国、万引きではベトナム、自動車盗ではスリランカが高い割合を占めている。

注:令和2年6月末現在、入管法上の在留資格をもって我が国に在留する外国人のうち、永住者、永住者の配偶者等及び特別永住者を除いた者(約179.9万人)の国籍・地域別の割合は以下のとおり。
中国28.0%、ベトナム22.7%、フィリピン8.5%、ブラジル5.3%、ネパール5.1%、韓国4.6%、インドネシア3.3%、米国2.3%、台湾2.0%、インド1.9%、その他16.3%(出入国在留管理庁作成資料を基に警察庁が集計)

 
図表3-16 来日外国人犯罪の国籍・地域別検挙状況(令和2年)
図表3-16 来日外国人犯罪の国籍・地域別検挙状況(令和2年)
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CASE

ベトナム人の男(27)らは、令和元年10月、知人のベトナム人に対し頭部等を殴る暴行を加えるなどして、車両で連れ去り、アパートの一室に監禁した。令和2年3月までに、同男ら4人を監禁罪等で逮捕した(愛知)。



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