第5章 安全かつ快適な交通の確保

第2節 交通安全意識の醸成

1 交通安全教育と交通安全活動

(1)交通安全教育

国家公安委員会は、地方公共団体、民間団体等が適切かつ効果的に交通安全教育を行うことができるようにするとともに、都道府県公安委員会が行う交通安全教育の基準とするため、交通安全教育指針を作成し、公表している。

警察では、関係機関・団体等と連携し、同指針を基準として、教育を受ける者の年齢、心身の発達段階や通行の態様に応じた体系的な交通安全教育を実施している。

(2)交通安全活動

① 全国交通安全運動

広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的として、全国交通安全運動を毎年春と秋の2回実施している。

② シートベルトの着用及びチャイルドシートの使用の徹底

令和元年(2019年)中の後部座席同乗中死傷者(注1)のシートベルト着用者率は、一般道路で67.3%、高速道路(注2)で90.3%であった。また、令和元年に実施された全国調査(注3)では、幼児のチャイルドシートの使用率は70.5%であった。

警察では、関係機関・団体等と連携し、衝突実験映像等を用いたシートベルトの着用効果を実感できる参加・体験・実践型の交通安全教育を行うほか、幼稚園・保育所等において、保護者に対し、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等に適合したチャイルドシートの使用の呼び掛けや正しい取付方法の指導をすることなどにより、これらの適正な着用・使用の徹底を図っている。

注1:乗用車、貨物車、特殊車の運転席及び運転席横の座席以外の座席(バスの座席及び貨物車の寝台席を除く。)に乗っていた死傷者をいう。

注2:高速自動車国道及びこれと類似の性格や機能を有するもので国家公安委員会が指定する自動車専用道路

注3:警察庁と一般社団法人日本自動車連盟(JAF)の合同調査で令和元年6月に実施されたもの

③ 反射材用品等の着用促進

薄暮時・夜間に歩行者及び自転車利用者が被害に遭う交通事故を防止するため、反射材用品、LEDライト等の視認効果、使用方法等について理解を深める参加・体験・実践型の交通安全教育や関係機関・団体等と連携した広報啓発活動を実施するなど、反射材用品等の着用促進を図っている。

MEMO 交通安全は地道な地域の活動から
(赤坂交通安全協会会長 土橋武雄)

赤坂交通安全協会は、昭和21年(1946年)の創立以来、赤坂警察署等と連携して、新入学期の児童等への交通安全教育、広報車を用いた啓発活動等を行っています。また、全国交通安全運動期間中には、テレビ局等とも連携して「赤坂交通安全運動のつどい」を開催しており、地域住民の交通安全意識の高揚に取り組んでいます。

私は、このような地道な地域活動が交通安全の実現につながっていくと信じていますし、交通安全が街全体を発展させていくと考えています。これからも悲惨な交通事故を1件でも減らせるよう、交通事故抑止に向けた活動を続けていきたいと思っています。

 
「赤坂交通安全運動のつどい」の様子
「赤坂交通安全運動のつどい」の様子


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