第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

6 国民の健康を害する事犯への対策

(1)保健衛生事犯(注)対策

保健衛生事犯の検挙状況の推移は、図表2-44のとおりである。

警察では、厚生労働大臣の承認を得ていない医薬品(以下「無承認医薬品」という。)を広告・販売するなどの医薬品医療機器等法違反、無資格で美容施術を行う美容師法違反等の国民の健康被害に直結する保健衛生事犯の取締りを行っている。

無承認医薬品の広告・販売事犯については、近年、国外を仕出地とするものが全体の半数前後を占めている上、インターネットを利用して広告・販売を行っているものも多いことから、外国捜査機関等に対し情報を提供し、ウェブサイトの削除を要請するなどしている。

注:薬事関係事犯(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という。)違反、薬剤師法違反等)、医事関係事犯(医師法違反、歯科医師法違反等)及び公衆衛生関係事犯(食品衛生法違反、狂犬病予防法違反等)

 
図表2-44 保健衛生事犯の検挙状況の推移(平成27~令和元年)
図表2-44 保健衛生事犯の検挙状況の推移(平成27~令和元年)
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CASE

医薬品卸売販売会社役員の男(50)らは、中国人を中心とした密売組織を構築し、平成30年5月から同年9月までの間に、個人への医薬品販売業の許可を受けた者等でないのに、医薬品を販売の目的で貯蔵し、販売した。合計約19万点の医薬品を押収し、平成31年2月までに、同男ら17人を医薬品医療機器等法違反(医薬品の無許可販売、販売目的貯蔵)で逮捕した(大阪)。

(2)食の安全に係る事犯(注)対策

食の安全に係る事犯の検挙状況の推移は、図表2-45のとおりであり、令和元年中は、外国産ごまを混ぜて製造した商品を国産原材料のみ使用と表記して納品するなど、原産地を偽装した事犯等がみられた。

警察では、食の安全に係る事犯の取締りを推進するとともに、関係機関との連携の強化に努めている。

注:食品衛生関係事犯(食品衛生法違反等)及び食品の産地等偽装表示事犯(不正競争防止法違反等)

 
図表2-45 食の安全に係る事犯の検挙状況の推移(平成22~令和元年)
図表2-45 食の安全に係る事犯の検挙状況の推移(平成22~令和元年)
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