警察活動の最前線
~専門的な知識や技術をいかして活躍する警察職員~
警察活動は、地域警察官や刑事捜査員だけではなく、情報通信業務、通訳業務等、高度で専門的な知識や技術をいかした警察活動に従事する警察職員によっても支えられている。
交通管制センターと警察航空隊整備係の一日を通じて、そうした職員の業務を紹介する。
交通管制センターの一日
交通の安全と円滑を確保するため、交通情報の収集・提供、信号機をはじめとする交通安全施設等の整備等に取り組む交通管制センターの業務を、埼玉県警察本部交通部交通規制課交通管制センターのある一日を通じて紹介する。
09:30 交通情報の収集・分析・提供
主要な路線や交差点に設置された車両感知器等から収集した交通情報を確認し、県内の交通流や渋滞状況等を分析した。
日々の分析結果を踏まえ、信号制御やカーナビゲーション装置等への交通情報の提供が適切に行われるよう、交通安全施設等の整備や運用を行っている。


13:30 信号機の工事に係る設計図面の作成
道路整備に伴う信号機の移設工事等の設計図面の作成も、交通管制センターで勤務する職員の業務の1つだ。
拝命して初めて設計図面を作る職員がほとんどだが、通常、年間に1人当たり数百枚程度の設計図面を作成しており、施工業者が工事の内容を理解しやすいよう、丁寧な設計図面の作成を心掛けている。このほか、交通安全施設等の整備における工事監督業務も警察職員が行っており、スケジュール管理にも気を配らなければならない。


15:00 交通状況の確認
信号のサイクル(信号表示が一巡する時間)等が適正かどうかを正しく判断するためには、現場の交通実態を把握することが大切であるため、現場に赴いて交通量調査等を行った。
また、警察署を通じて地域住民の方々からの意見要望を聴取しており、その内容も踏まえつつ、日々、信号制御の改善に取り組んでいる。


16:00 信号機の改良に関する検討
交通管制センターでは、交通の安全と円滑に資する信号機の改良にも力を入れている。
既存の信号制御の手法に加え、センターの職員で知恵を出し合い、より合理的な手法を研究して全国会議で発表するなど、職員の意識は高い。


国民の生活に欠かせない社会インフラである交通安全施設等の整備は、警察の重要な業務の一つです。交通情報の分析、設計図面の作成、交通状況の確認、信号機の改良等、交通管制センターでの業務は多岐にわたりますが、交通の安全と円滑を図るため、今後も、広く、深く仕事を突き詰めて、交通管制のプロフェッショナルと呼ばれるような職員を目指して、職務にまい進していきたいと思います。

警察航空隊整備係の一日
空から地域の安全安心を守る警察航空隊の屋台骨である整備係の業務を、福岡県警察本部地域部地域課航空隊整備係のある一日を通じて紹介する。
10:30 地上訓練
警察航空隊の隊舎に待機している機動隊員と、ホイスト救助装置を用いた模擬救助訓練を地上で実施した。
また、被疑者等の追跡時におけるヘリコプターテレビシステムの操作も航空整備士の仕事であることから、その操作訓練も行った。


13:30 ホイスト救助訓練
山間部に移動して、機動隊と合同でホイスト救助訓練を実施した。
航空整備士は、ホイスト救助装置(注)の操作だけではなく、操縦士に対し、要救助者や機体の位置、現場の地形等、救助の可否を判断するための情報を提供するとともに、機体の細かな移動を指示するなど、ホイスト救助において中心的な役割を果たしている。
注:129頁参照


16:00 飛行後点検
訓練後には、機体への燃料補給を実施した後、機体、エンジン及び装備品に異常がないことを確認するとともに、ホイストケーブル等のホイスト救助装置に損傷等がないか点検を行った。
今日の訓練も大変だったが、実際の救出救助の現場においてきちんと職責を果たせるよう、技能を磨いていきたい。

